美容整心メンタルクリニックを開設する準備で、この数週は忙しく、特にここ数日は時間が無かったので。今回はこの4、5か月間に読んだ本の記録を羅列してコラムのお茶を濁すことにします。(順番は必ずしも読んだ時系列ではありません。)
- 竹内薫、「数学×思考=ザクリと」、丸善出版、2014
- 竹内薫「科学の未解決問題」中経出版、2013
- 竹内薫「なぜ科学はうそを吐くのか」祥伝社2009
- 竹内薫「ゼロから学ぶ量子力学』講談社。2001
- 桜沢如一、「宇宙の秩序」、日本CI協会、2012
- 立花隆「読書脳」文芸春秋。2013
- 立花隆「電脳進化論」朝日新聞社、1993
- 立花隆「脳とビッグバン」朝日新聞社2000
- 和田純夫「量子力学が語る世界像」ブルーバックス、講談社,1999
- F.D.ビート「シンクロニシティ」管啓次郎訳、朝日新聞社1992
- ケネス・フォード「量子的世界像101の新知識」青木薫監訳塩原通緒訳、ブルーバックス講談社、2014
- 栗本慎一郎「意味と生命、暗黙知理論から生命の量子論へ」青土社、
- グレゴリー・ベイトソン「精神と自然」佐藤良明訳、新思索社、2009
- イチェル・カーソン「センス・オブ・ワンダー」上遠惠子訳、新潮社、1996
- ジャックベンべニスト「真実の告白水の記憶事件」由井寅子訳、ホメオパシー出版、
- 塩谷信幸「美容外科の真実」ブルーバックス講談社、2000
- 山下裕美「美容整形」文春文庫、2001
- 鍋田恭孝「身体醜形障害」講談社2011
- キャサリン・A・フィリップス「歪んだ鏡」松尾信一郎訳 金剛出版1999
- 松本俊彦「自傷行為の理解と援助」日本評論社、2009
- 竹原卓真、野村理朗「顔研究の最前線」北大路書房、2004
- 「辻静雄」kawade夢ムック、河出書房。2014
- 玉村豊雄『晴れ耕雨読ときどきワイン」中公文庫、1993
- 立石敏雄「笑う食卓」阪急コミュニケーションズ、2008
- 山口美緒、「信州蕎麦好み」、信濃毎日新聞社、2014
- 辻静雄「料理人の休日」復刊ドットコム、2013
- 馬場啓一「池波正太郎が通った店」イソップ社、2009
- 玉村豊雄、北田敦子「男と女のほろ酔いデートファイル」世界文化社、2001
- 小山薫堂「人生食堂100軒」プレジデント社、、2009
- 犬養裕美子「人生を変える一皿」枻出版、2010
- 青柳恵介他「骨とうの目利きが選ぶ,ふだんつかいの器」新潮社、2006
- 佐藤嘉尚「人を惚れさせる男吉行淳之介伝」新潮社2009
- 天野祐吉編、「隠居大学」、朝日出版社、2011
- 吉野慎一「笑いと免疫力」主婦の友社2004
- 藤田紘一郎「心の免疫学」新潮選書 2011
- スティーヴ・ロック「内なる免疫力」池見酉次郎監修 創元社1990
- ヴァルター・ベンヤミン「この道一方通行(、細見和之訳)」みすず書房、2014
- 「作家の家」コロナブックス、2010
- 松井晴子「建築家が建てた幸福な家」エクナスレッジ、2004
- 松井晴子「続建築家が建てた幸福な家」エクナスレッジ、2007
- 「最高の建築家25人」エクナスレッジ、2008
- ハルノ宵子「それでも猫は出かけていく」幻冬舎、2014
- 内田樹・釈徹宗「現代霊性論」講談社、2010
- 吉福伸逸「トランスパーソナル入門」平出出版社、1998
- 岩井俊憲「ありのままを認める」宝島社、2014
- 小倉広「アルフレッド・アドラー人生に革命が起きる」ダイアモンド社、2014
- 和田秀樹「こころと向き合う臨床心理学」朝日新聞出版、2012
- 和田秀樹「フロイトとアドラーの心理学』青春出版社、2014
- 白石一文「この世の全部を敵に回して」小学館2008
- 白石一文「一瞬の光」角川文庫2004年
- 中川米造「医学の不確実性」日本評論社、1996
- 内海聡「大笑い!精神医学」三五館2014
- 内海聡「精神科は今日もやりたい放題」三五館
- 矢作直樹「お蔭様で生きる」幻冬舎、2014
- 矢作直樹「人は死なない」basilico2011
1-4.は、竹内薫の本で、未読のものを選んで読んでみた。竹内薫は、科学を平易な読み物にして多くの読者をつかんでいるが、最近はNHKのサイエンスゼロを始め、多くのテレビ番組のレギュラーになり、舌鋒はとみに弱くなり、科学哲学者の名前にもとると以前に書いたが、3.「なぜ科学はうそを吐くのか」2009では、科学にかこつけた社会の欺瞞性をかなり鋭く突いている。ただ肯定的な原子力発電についての意見が、東北大震災の東電福島原発事故以前に書いたものであり、あの事故の後、原発論がどう変わったかを知ることが出来なかったのに、歯がゆさが残った
5-7.は立花隆が知の巨人と言われる、彼の思考過程が知りたくて、再読したものである。6.「電脳進化論」1993では、実はその中で、私のバンブーウエア全頭蓋形成術とCG手術シミュレーションが紹介されている。
8-9.は量子論でも共時性について書かれたものを選んで読んだ。
11-15.は竹内薫の「シュレディンガーの哲学する猫」に触発されて読んだものである。
16-21.は、外観障害に拘わる自分の本業に関するもので、身体醜形障害に関する知見を広めるために読んだものである。中でも18.鍋田泰孝「身体醜形障害」2011は医学的にも理解しやすい記述になっており有益であった。
22-30.は食に関するエッセイや情報収集のためのものであり、毒にも薬にもならないものばかりである。
31-33.は大人の男を目論む浅はかな考えによる選択である。
34-36.は精神神経免疫学につながる一般書であるが35,36は医学的にもかなり読み応えのあるものであった。
38-41.は趣味の建築に関するものであるが、特に印象に残る内容のあるものではなかった。
43,44.は精神医学の霊性の概念を求めて読んだが、宗教に近いものに限定された考察で当てが外れた。
46-48.はアドラー、コフートなど現代心理療法の解説が明快にされており、今までの自分の理解を整理する上で非常に役立った。和田秀樹の本はいずれも論旨明解で本人の主張も明瞭で、彼が優れた書き手であるばかりでなく、おそらく優秀な精神科医であることをうかがわせた。
49.白石一文「この世のすべてを敵に回して」2009は強烈なタイトルにひかれて読んだが、内容は人間の徹底した孤独感を描いたものであり、かなりインパクトを受けた。そこで著者のデビュー作の「一瞬の光」2004も読んだが、これは虐待とストーカーを扱い、今日の社会病理を予見しており、精神医学的にも非常に興味深く、文庫本で600ページ近い大作だが、夏休みに一気に読了した。
白石一文は、僕にとって今もっとも興味のある作家の一人になったが、著書のいずれもボリュームが多く、気楽に手が出せないのが残念である。
51-53.は医療の批判本だが、内海の精神医療批判は徹底していて面白い。彼の意見に総論として私も8,9割は賛成ではあるが、彼は精神医療の臨床の現場で働いたことはないであろうから、私から見れば、まだ洞察、突っ込みが不十分なところがあるように思えてならない。
54.55.は東大の救急救命科の教授が自分の死生観、人生観、を書いたものであるが、常に生死に直面している臨床医の考えとして重いものがあるが、「大いなる存在」や気の流れで心身相関を説明するところなど、私の身体波、精神波と、自律統合性の概念と通じるものを感じた。
アドラーの言うライフスタイル、ストロロウの組織化原則に近い考えで、生き方を整理することを薦めるところは大いに啓発されたが、著者の心境に何処か悟りの境地に近いものもあり、私には未だ到達できない世界にも感じた。
しかし患者の医療に対する、万能感、無理解を嘆くところは大いに共感出来た。
全体の読後感としては、日本人で良かったと思わせる、不思議な深い優しさに包まれた心落ち着くものであった。著者の持つ本質的な人としての優しさが伝わったのかもしれない。
55.では、自らの体験と近代スピリチュアリズムの考察から「摂理」と「霊性」について深い洞察を加え、その存在を肯定的に生きることを薦める哲学書になっている。これは私の言う自律統合性機能AIFの概念とかなり重なるところが多い。これについてはまた別の機会に比較考察しようと思う。
相変わらず気の向くままの無作為な読書で,系統だった知識にはならないものばかりですが、この4,5か月間はこんな本を読んで時間を潰してきました。
そんな毎日が日曜日の年金生活者だった私も、だんだん時間が無くなり、読書三昧とも行かなくなってきたのが、最近の悩みの種です。
最後に訂正とお詫びです。2014.08.13のラプラスの妄想、空耳妄言②の中の、栄養学批判の文章で、炭水化物中心の生活が始まったのは縄文時代ではなく弥生時代の間違いであること、日本人の平均寿命が大きく伸びたのは、戦後の食生活が変わってからであり、炭水化物中心の戦前までは世界的に見ても日本人の平均寿命が特段長かったわけではありません。重ねて訂正し、お詫び致します。