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デザイン(ヴィジュアル)系―その2 ASTON MARTIN DB2/4 1954

見てくれに弱いのは男の常。

この車は、まだ英国からの貨物船の中にあるうちに、つまり現物を見ず、試乗もせずに一枚の写真を見ただけで買ってしまった。

一目ぼれしたのだからどうしようもない。

旧車のディーラーの社長達は自己愛の強い、
俺が一番みたいな人が多く、基本的に客を見下している。

私を見て、お客さんはMGかオースチンヒーレー辺りが順当ですよ、と言うから、どうもしっくりこない。

元来自尊心が高いのが欠点なのであるよ、わたしゃ。

ポルシェ911ターボの新車で出向いていても鼻にもかけてくれやしない。

それに私は車本専門店のリンドバーグでクラシックカーの雑誌や本を見ていて、目ばかり肥えて、よくあるライトウエイトでは気が乗らなかったのだ。

赤羽橋にあった麻生自動車の3、4階にはアストンマーチンの垂涎ものがゴロゴロあったが、多くはお寺さんか塾の経営者(隠れ金持ちの常連。
脱税の常連でもあるらしいが。)が所有している保管車であって、
たまの売り物にはボンドカーもあったが、それはそれで雲上値段で検討の対象になりもしなかった。

そんな折、リンドバーグで買った本の中で見たことのあったアストンマーチンDB2/4の写真を見せられたのである。

まさに運命的出会いであったといっていい。(ちなみに妻とも運命的出会いでしたよ。)それに当時はまだ、手の届く値段であった。

そして、いざ現物が来てみると、予想以上に美しい。

ヒップのラインはこの上もなく怪しくも悩しいのである。

カラーもブリティッシュレーシーンググリーンで完璧な塗装。

これはかなり珍しい事象ではありませんか。

写真で見て期待に胸膨らませ、いざお目にかかるとかなりの頻度で奈落に落ちるのが世の慣いで、その現象はほとんど公理とも言える程ですので、この車の場合は超レアな事象であったと言えます。

エンジンも英国でOH,メンテされており、業者からは何もせずに渡されたが、絶好調でレーサーのようないい音を吹かせてよく走り、何の問題もなかった。

もちろんパワステ、エアコンはなく夏は大変だし、冬はチョークを引いて、
外にバッテリーを繋げて始動するなど多少の問題あったが、それはそれで小悪魔に手を焼くようなもので、それも楽しみのうちでありましたよ。

問題があるとすれば、乗っていて、人の視線が気になることぐらいですが、それもどこかで悪い気がしないのは、素敵な麗人を連れて歩く時と同じですよ、恐縮ですが。

この車の顛末はまた書きますので、
今回はこの美しい車の姿をたっぷり見てください。

ASTONMARTINDB24

ハンドル、インパネはオリジナルのまま

V6エンジンルームはシンプルでスカスカ

オリジナルのシート

シューティングブレイク仕様

表参道で

表参道で

表参道で

表参道ヒルズ前

鍵のオリジナルのバッジ

勉強した写真本

本にあったDB24

本にあったDB24

 

ASTONMARTIN DB24

ASTONMARTIN DB24

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