上毛新聞という群馬県の地方紙が出している『ぐんまの源泉一軒宿』という上質なガイドブックがある。
地方紙ならではの地元に密着したきめ細かい取材に基ずくもので、
山とか滝とか、色々なシリーズがあるようだ。
その「源泉一軒宿」に載っていた高崎観音山温泉、錦山荘に日帰り入浴に行ってみた。
家からわずか3kmの近さである。
高崎観音のイメージがあってあまり期待はしていなかったが、
どっこい、なかなか風情のあるいい温泉宿でした。
案内によると、大正初期の開湯で、かっては公衆浴場だったのが、
昭和の初めに高級料理旅館になり、高崎の奥座敷として著名人に利用されていたそうである。
20年ほど前に改築され今の形になったそうである。
道を折れ、観音山の麓を突き刺すように入って行くと既に深山幽谷の
雰囲気である。
車を停め、石段を上ると大きな提灯が下がった玄関がある。
帳場で一人650円を払うと、3時間の入浴券をくれる。
旧い煤けた回廊になった階段を上がって行くと、風呂場がある。
建物の一番高い所にあたり、展望風呂の仕掛けになっている。
風呂場は、太い丸太で櫓が組まれた風情のある作りになっており、
10人位で一杯になりそうな大きさである。
お湯は泉温18.5度、泉質はメタけい酸含有とある。
加水、加温あり循環ろ過で、普通なら絶対行かないレベルのお湯である。
普段、私は源泉掛け流しが、温泉選考の最低条件になっている。
しかし家からたった3km、風呂場から自宅が遠望できる近さである。
さらに、建物の周りは落葉樹の森であり、きっと秋は錦繍になることから
錦山荘の名も由来しているのだろう。
環境眺望は箱根の強羅に劣らない程である(少し過大評価かもしれない。最近地元贔屓になってますので。)
よく見れば、柿の実も色付いてました。
ちゃんと、お土産も買いましたよ。
旅館手製の田楽味噌。
群馬特産のこんにゃくを帰り道で買い、帰ったら早速味噌田楽を作り
食べましたが、これは大当たりでした。
太鼓判のお勧めです。