東京の自宅は、15年前にマンションから一戸建てに引っ越して、わずかばかりの地面を工夫してガーデニングを楽しんでいます。
愛知の実家では父親が自分の努力の結晶のように700坪の敷地にかなり手の込んだ庭を造成していましたが、僕は東京の勤務医であり、真似のしようもありませんので、猫の額のような土地に工夫をして庭もどきを楽しんでいます。
敷地の南側、北側、地下の坪庭2ヶ所、玄関アプローチ、外回りと場所数だけはたくさんになりますが、いずれものりしろのような狭い場所です。
庭は、はじめはプロにデザインを依頼しましたが、これと思うものができてこなかったので、結局独学で本を漁って勉強し、自分でデザインして、作風の気に入った庭師さんにアピローチして無理やり頼んで作ってもらいました。
一部は手作りで自作しました。
小さくとも木さえ植わっていれば、秋になれば紅葉し、そこは秋の風情になります。
今回は南側のジューンベリーを植えた庭をご紹介します。
ジューンベリーは和名をザイフリボクと言い、5月に小さな白い花が咲き、名前のとおりに6月には黒い実が沢山つきます。
食用ではないサクランボのような感じなので、てっきり食べれないと思っていましたが、ブルーベリーのように食べられると最近知り、がっかりしました。
道路が黒くなるほど生るのです。
設計のポイントはガラスの塀の内側の庭と道路に面した外側の庭を同じようにジューンベリーを植え、下草に稚児笹を植えて、あたかも繋がっているかのようにしたことです。
家の中から見れば、ガラス越しに向こう側も透けてみえて、まるで霧がかかった山の林の風情になりますし、2階の自分の書斎から見ると一体になり、ちいさな林のようにも見えるようにしたことです。
内側の庭のテラスには時々気分で浅く水を張って池になるようにして、そこは古木を配してツクバイで水が流れ込む風情にしてあります。
水は溝に貯めて、ポンプで循環するように工夫しました。
この工夫は庭師でも出来なかったアイデアが入っており、中学の理科で習った連通管の原理が初めて実用に役に立ちました。
くり抜いた流木の中に入れたホースから水が出て、それをラワンの古木で受けて走らせ、2段構えで水を落とす仕掛けにしました。これらの木は自分で探してきました。東京電力がダムに溜まった流木を売る店を三鷹のほうに構えていました。
石の祠を置石の上に置きました。道路工事の際掘り出されたものを工事関係者が小遣い稼ぎに持ってくるんだそうで、これは群馬県太田市の古道具屋で見つけました。鎌倉時代のものと言いますが、、?。