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紀尾井町の年の瀬雑感-イエス・ジョージで〆でした。

思い出小僧もクリスマス

思い出小僧もクリスマス

 紀尾井町に仕事場を持って1か月半が経ち、早くも年の瀬になりました。
麹町駅前の‘夏の思い出小僧’もいつの間にかクリスマスの装いをしていました。
プリンス通りの銀杏並木も葉が道路に舞ったと思ったら、いつの間にか、すっかり丸坊主になってしまいました。
紀尾井の森も清水谷公園の紅葉も終わり、いよいよクリスマスと正月を迎える準備をしているかのようです。

紀尾井アートギャラリー

紀尾井アートギャラリー

  僕のクリニックの斜め前に紀尾井アートギャラリーという芦原太郎設計の美しい建物があります。アルファ国際学院という外国人向けの日本語教師養成学校を経営している梶原淳代さんという女性が館長をしていますが、実は、僕が、通勤車の駐車場が無くて困っていた時に手を差し伸べて下さった、僕の車の駐車場の大家さんでもあります。ここは、彼女の道楽がこうじて出来たギャラリーのようなものです。

 そこでは、「江戸の伊勢型紙美術館」と言う、三重県の伊勢地方に産まれた着物の文様の型紙を、江戸時代から昭和に至るまでのものを5000枚ものコレクションをして展示する常設館を併設しています。

江戸型紙紙美術館

江戸型紙紙美術館

江戸型紙紙美術館

江戸型紙紙美術館

 型紙は、紋切りという家紋の型を切るのと基本は同じ様な技法なのでしょうが、伊勢型紙の、その細かさ、デザインの精緻さは比べようもないもので、幕末にシーボルトが浮世絵と共に型紙を大量に持ち帰って、それがヨーロッパの当時のジャポニズム運動に影響を与えたと言うのもうなずけるところです。

 そのアートギャラリーで、12月27日まで万華鏡作家の中里康子の作品展をやっていたので見学に行ってみました。

中里康子の万華鏡

中里康子の万華鏡

 万華鏡といえば、小学校の工作で、細長い鏡で三角柱を作って紙の円筒に入れ、その中に下敷きや千代紙を細かく切って入れて作った記憶があります。昔の子供たちは、動く画像自体が珍しく、あれでもそれなりに感動したものでした。

 さて、中里康子の作品は、万華鏡世界大会に何度も優勝しただけの事があって、想像を絶する美しいものでした。国際大会ともなると、万華の像の美しさだけでなく、万華鏡の胴体、箱の部分のデザイン性も大事で、箱を日本らしい漆・蒔絵にした時に優勝したので、それにヒントを得て、昨年は伊勢型紙のデザインにしてみたら高い評価を受け、再び優勝することが出来たとのことでした。
 その伊勢型紙を提供したのが縁で、今回の個展ということになったようです。
 大きなものはカメラで覗けたので、その写真を載せておきますので、その驚異の景色を垣間見てください。

世界大会優勝の万華鏡

世界大会優勝の万華鏡

万華鏡の世界①

万華鏡の世界②

万華鏡の世界②

作品は販売もしていたのですが、芸術性の高い大きなものともなると、数百万円にもなり、手頃な大きさかなと思っても数万円はしてビビったのですが、もっとも安い玩具のようなものは数千円からあり、それならばと、スタッフの誕生日プレゼントやちょいとした紀尾井町土産にしようと僕もいくつか買っておきました。

 紀尾井町名物といえば、数年前まではシャレ―栄陽堂の手作りチーズケーキ(ホルトハウス房子風の)がありましたが、今は閉店したので、それに変わるものはないかと探していたところでしたが、このアートギャラリーに、『ふくら雀』という和三盆で出来た干菓子が置いてありました。

ふくら雀

ふくら雀

 ふくら雀というのはスズメと麻の葉を描いた日本古来の吉祥文様で、伊勢型紙にも使われており、紀尾井のロゴにもなっています。その干菓子もこのふくら雀の形に作られていて、味わいも上品で、パッケージも中々お洒落ですし、紀尾井の森に繋がるストーリー性もあり、これからクリニックのお土産にしようと今は大層気に入っているのです。

 ところで昨日は、階下の美容室イエスジョージと美容整心クリニックのジョイント忘年会をしました。

イエスジョージサロンでの忘年会

イエスジョージサロンでの忘年会

お宝ーイラストレーター黒田征太郎作の看板

お宝ーイラストレーター黒田征太郎作の看板

その裏側

その裏側

オードブルー百田輝のお皿で

オードブルー百田輝のお皿で

 というか、ジョージ氏が、我々3人が日頃、暇してしょぼくれているので、招いて励ましてくれたのです。
 クリニックのスタッフも、日頃,飲み会、宴会の機会も無いので,嬉々として参加して、ワインをタライ飲みしてきました。ジョージ氏も僕も寄る年波には勝てず酒量はめっきり少なくなりましたが、若い人、ことさら女子の成長ぶりには目を見張るものがありますねえ。
 宴会も出される料理とその器によって雰囲気が変わりますが、当日の器はすべて陶芸家百田輝の作品で、ジョージ氏らしい趣味の良い飲み会の雰囲気になりました。
 但し、僕は着古したチャンチャンコ姿の参加で、場違いなTPOで紀尾井町には少々そぐわなかったかと反省しています。

今年最後の一枚,ジョージとスタッフと記念写真(2)

今年最後の一枚,ジョージとスタッフと記念写真(2)

 今年は、個人的には変化の多い年になりましたが、自分の思いが叶って幸せな年となりました。
 今はクリニックの自室で、ブラインドの隙間から太陽の光が射し込む机に向かう毎日が嬉しいし、すべての時間が自分のものであり、すべてを自分で決められる自由を得た喜びに満足しています。これは今までの宮仕えでは味わったことのない幸福感でもあります。

 それに、今さらではありますが、人は結局は非力なものであり、一人では生きていけないものだとつくづく思います。今までは、自分の力だけで生きてきたように思いがちでしたが、群馬の生活以降は、多くの人の力、とりわけ家族の絆に支えられて自分がある事に思いが至るようになりました。
 海外にいる息子が、サミエル・ウルマンの「Youth青春」の詩を送ってくれ、「新しい事をするのに遅すぎるということはない」と言って励ましてくれたのも力になりました。
 人は、相手に投影された自分を見て、己を知り、自分の立ち位置、振る舞いの仕方を決めて行きます。
 意思があるということは、対話し干渉する力があるということで、また干渉されて変わっていける力があることでもある、という人がいます。
来年は、ことさら自分の意思にこだわって、自分を変革して行こうかと思っています。

 皆さまには、この一年間、僕のつたないブログにお付き合いして頂き、本当にありがとうございました。
 皆さまも、どうぞ良い新年をお迎え下さい。

 

 

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