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観劇後の夕食

さて、観劇後の食事で選んだのは、最近お気に入りで、しばしば訪ねるお店です。

多少は融通をきかせてくれ、今夜も、予約の際にラストオーダーの時間を尋ねると、“お芝居の後なら、お待ちしていますからどうぞ焦らずにいらしてください”と気配りがいい。

来店時、ちょっと言葉を交わすと、彼(サービス係の人、メートル・ド・テル?)は実は
芝居通で、天日坊は演出家が串田和美さんでいいから、、、などと、私など足元にも及ばない博識でした。

シェフは三田のコートドール出身ですから、味はもちろんのこと、客をもてなす事が
何であるかよく心得ております。

良い店と言うのは、大抵その心意気が違う。

決して媚びへつらうのではなく、慇懃無礼でもなく、自信がそうさせるのか背筋が
シャキッとしてプロの矜持を持っている。

あまり褒めて、これ以上予約が取れなくなっても困りますので、お店の名前は伏せます。

四の橋にはフレンチは2軒(多分、私の知ってる限りでは)しかありませんので、
ヒントは耳鼻科の三半器官の様な名前ではない方です。

グルナビのようにお店で写真を撮る(マナー違反をする)勇気はありませんので、
料理の写真は載せられませんが、メニューはコピーをくれたのでお見せします。

前菜は、私は‘ウサギ、フォアグラ、隠元のコンソメゼリーがけ’、妻が‘手長海老と
グリーンアスパラガスのリゾット’を注文。

いつものように半ぶっこにしてもらう。

子ウサギもフォアグラもテリーヌで多分出来合いの輸入物だろうけど、
久しぶりなのでおいしかった。

手長エビはクルマエビかと思われる位の身の厚さで、確かめるとブルターニュ産との事。伊豆の赤座エビの4倍はありそう。

リゾットとはいえ、コメがサラダのようにからみつく程度で、これはナイスチョイスでした。

主菜は、お決まりの仔羊背肉のローストを。

いつものように絶妙なロゼの火入れ加減。
二人で分けても大ぶりなのが2本づつ。
このお皿は本当にお勧めですよ。

ワインはグラスで4杯。

これで、よく行く代々木のピッツェリアより安いんだから泣けてきます。
代々木が高すぎるのかも。

ヨーロッパでは、芝居やショーは大体真夜中に終わるので、そのあと軽食を
(牡蠣やスモークサーモン、富裕層はキャビアでシャンパンやウオッカをやるらしい)摂る習慣があると聞く。

ああ、赤や黄や青の缶が懐かしいですね。
今や見ることさえ無くなりましたねえ?。

チョウザメの養殖はどうなったのかなあ?
JRが副業で始めたと聞いたのはもう随分昔だから、頓挫してしまったのかも、残念。

そう言えばおよそ15年位前に、イラン大使館の偉い外交官の頭の手術をした事があり、お礼にと、白金の大使館に大使主宰のディナーに招かれた事がありました。
期待を胸に参ったのですが、キャビアはおろかワインすら出なく、かなりがっかりしたことがありました。(冷静に考えれば、イスラム圏では当たり前でした。)

こちらの気持ちを見透かしたかのように、後日、イラン産の上物を頂いたのが、
多分私の人生最後のキャビアになるんでしょうねえ。

その時はシャンパンのグランダームをきんきんに冷やして食べましたよ、
今世の名残になるんでしょうか。

バブルは御免だけど(ちょっと時期が違うか)、ゴクたまにはいい事もありましたね。

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