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扁炉ペェンロー―我が家の冬の定番の白菜鍋

久しぶりに、家めしをご紹介しようと思う。

外食の話ばかりでは真正グルマンとは言えないだろうから。

白菜の旨いうちだからこそ紹介したい(男の)鍋料理です。

グルメ雑誌のハシリ、Dantyuダンチュウの創刊間もない頃、もう20年以上前になるが、舞台美術の妹尾河童氏が紹介した中国の家庭料理の白菜鍋,扁炉ペェンローをご紹介します。

当時、記事を読んで、これは行けそうと、知覚直観が働き、すぐに作ってみて、これにハマッタ。その後、当時勤務していた病院の医局の後輩には我が家で作って、食べさせて伝授したし、医局でも皆に作ったりしたので、私の居た病院の形成外科医でこの鍋を知らないのはモグリと思った方がいい。

試しにウエブで「ダンチュウ、白菜鍋」で検索してみたら、ダンチュウ歴代NO1の男の鍋料理として紹介されており、レシピも載っていた。確か数年前のダンチュウにも再掲載されていたと記憶があるし、巷でもかなり一般化されてきたようだが、小生は20年に渡り、数えきれないほど作ってきたから、反省点も含め、僕のレシピの方が確かであると思う。

男の料理であるから、大雑把で(簡単)、手間いらずで(早い)、むさぼるように(旨い)の3条件は当然のことながら、おまけに材料費も安い、と家庭内平和的である。

特に、新婚の若奥さんには旦那が喜ぶこと間違いありませんよ。(これは個人的なメッセージでした、失礼。)

材料は、2,3人前でいうが、白菜1/2、干し椎茸3,4個、鶏もも肉300?500g,豚バラも同量、ビーフン一掴み(30?50g)、ごま油、塩、一味少々である。

材料

白菜はキュと音のするような新鮮なものに越したことはないが、芯が黄色くなって開き加減なものでも構わない。

鳥は00地鶏であったり、名古屋コーチンや軍鶏であれば、それなりに美味いが、スーパーの安売りで全く構わない。

但し胸肉までケチっては駄目である。

もも肉である。

豚バラも黒豚や白金豚とこだわれば、それなりに美味いが、無名ブタで良いし、別に豚は無くとも(省略しても)よい。

ゴマ油は太白などの贅沢品は禁で、普通のゴマの香りの強いものが良く、透明性には拘らない。

これは河童氏の強調しているところである。

塩は好みであろう。

料理は理科の実験ではないのだから塩化ナトリウム食卓塩を避けるくらいのこだわりは男の習いだろう。

さて、作り方であるが、?干し椎茸は前の晩から水に戻す。と言っても、料理は思い立って作るものだから、そんな計画性を要求しても無理と言うものであろう。思い立ってから、ぬるま湯で戻せばいい。

但し戻した水は使うので捨てないように。

白菜は5センチ幅にざく切りにし、根の方と葉っぱの方と分けておく。

乾し椎茸を戻す。

?椎茸の戻し汁に白菜の白い方を投入し沸騰させる。

沸騰したら、もも肉とばら肉、適当に切った椎茸を入れその上に白菜の残りを入れて、ごま油を大匙4,5杯見当を回しかける。

最初に白菜の白いところをいれる。

だし汁の量は調整する。

残りの葉の部分をぶち込む。

ごま油を掛ける。

この順番は実はどうでも良い。

初めから鶏肉、豚肉、椎茸を入れても良い。

ただ、白菜は硬軟二段階で熱を通した方が合理的だし、第一分けないと鍋に入りきらない。

?蓋をして煮込んで終了。

白菜は鍋からはみ出るくらいになるが、手で抑え込んで蓋をする。

僕は白菜がとろとろになるくらいが好きなので、鋳物のココット鍋を使って弱火で1時間位は煮込む。

圧力鍋を使えば10分と早く済む。

弱火で煮込む。

煮上がった状態。

 

 

?好みの柔らかさになったら、戻したビーフンを入れて、5分位煮れば完成である。

ビーフンを入れて5分煮る。

最後に、もう一度ごま油を入れるとこくがさらに増す。

ビーフンは種類によっては、煮崩れておじやの様になってしまうものもあるので気をつける。

中国製は大丈夫だが、ベトナムなど東南アジア系のものは煮くずれることがあるので注意して買うようにしよう。

?食べ方であるが、味は素材から出たものだけであるから、塩分が足りない。

ボールによそってから、各自で塩で味をつけて食べる。

好みで一味、七味、祇園黒胡椒(七味)、ゆず胡椒などを振っても美味しい。

塩・一味で味を調える

スープが命なので、スープだけ飲むのはマナー違反にしないと最後に肉類だけが残ることになってしまう。

いちいち塩で味を付けるのが面倒と思う向きは、鍋に塩を入れ、始めから味をつけても良いが、だんだん味が濃くなるので、初めは薄味にしておくのが良い

薄口醤油でちょっと香りをつけたりもする。

食べ残ったら、餅やご飯を入れておじや風にして食べてもとても美味しい。

付け合せは経験的にはべったらがよく合います。

一度作れば2,3日は食べられるし、飽きないので、その間の料理の手間もはぶけます。

今回は、鶏肉を少し残して、五目御飯を作り、スーパーで鳥皮が買えたので,皮の煮込みを作ってみたが、旨かった。

モツの煮込みは僕の得意料理である。

鳥皮の煮込み。

五目御飯。

 

僕の3代前は、三河平野のど真ん中で(昔は日本のデンマークと教科書で習ったが、)、養鶏業をしていたらしく、父親は鶏肉にはうるさかったので、子供の頃から名古屋コーチンで育った。

東京に来て、砂のように味のないブロイラーの鶏肉を食べてびっくりして一挙に鳥嫌いになってしまったが、最近は鶏肉の質も良くなったし、扁炉のような食べ方をすれば、十分に美味しいと思うようになった

もう一つ、鳥を使った美味しい得意の鍋料理がある。

出所はNHKの「男の食彩」の中での映画監督崔洋一氏の自慢料理である。

が、それはまたの機会にしよう。

 

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