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春はお皿からーオ・プロバンソーのアスパラづくし

前回、プリズマの‘アスパラと蛤のフォンドゥータ‘というスープ仕立ての、春らしい和風なイタリアンのお皿をご紹介しましたが、先日、紀尾井町オ・プロバンソーを尋ねたら、正統フレンチのアスパラづくしのコースがありましたので、少々感動を込めてご紹介したいと思います。

メニュー

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このメニューは3月一杯とのことでしたので、皆さまにもぜひ味わっていただきたいとの思いから、2週続けてグルマンライフの更新になります。

 アスパラガスはもちろん白のフランスはロワール産(フランスにグリーンアスパラがあるかどうかは知りませんが。)でしたが、和の食材と同じ様に、やはり季節の早目のものが喜ばれるのでしょうか?パリでは、初夏の頃になると、ビストロで大きなアスパラガスの料理が出回りますが、3月ではやはり高級食材なのでしょうね。

アミューズ

アミューズ

 まずアミューズではアスパラのムースに赤ワインとバルサミコのソースがかかり、その上にコッパ(頭?)という生ハムが乗ったものでした。

白と緑のアスパラガス マセトドワンヌ レモンジュレ エストラゴン

白と緑のアスパラガス マセトドワンヌ レモンジュレ エストラゴン

 オントレは、 ‘白と緑のアスパラガス マセトドワンヌ レモンジュレ エストラゴン‘で、
マセドワンヌと野菜の賽の目切りですが、ここではアスパラを斜めに小口切したものと、スキャンピエビの茹でたものにゼリー状になったレモンソースが乗せられたサラダ仕立ての、春のお花畑を連想させるような見た目も美しい一皿でした。下にパスタの生地のようなものが敷いてありましたが、何か聞き忘れました。

アスパラのラビオリ コンソメスープとコンテ

アスパラのラビオリ コンソメスープとコンテ

 ‘次いでアスパラのラビオリ コンソメスープとコンテ‘
コンソメはテーブルでかけてくれるという演出つきでしたが、まあ手の込んだ洋風ワンタンスープという感じでしょうか。

ホワイトアスパラガス 茹でたてをオランディーヌソース

ホワイトアスパラガス 茹でたてをオランディーヌソース

 ‘ホワイトアスパラガス 茹でたてをオランディーヌソース‘
 熱々のアスパラに定番のオランディーズソースで食べますが、湯で加減が絶妙で文句のない一品でしたが、個人的にはソースは、もっと酸味があった方がアスパラには合うような気がしており、ビネガーソースの方が好きです。それにラギヨールのナイフでなくとも切れる位、言えば缶詰のアスパラのように柔らかくゆでて、ハーブビネガーでマリネしたような、初夏のパリのビストロのテラスで食べたアスパラの味が忘れられませんです。まあ、初めて行ったパリで、食べたという心象が強いのでしょうが。あくまでも個人的な意見です。

ホワイトアスパラガス

ホワイトアスパラガス

ビネガーソース

ビネガーソース

実は5日後に、裏を返して再びこのコースを食べに行ったのですが、その時はシェフがビネガソースにしてくれました。別に初めてでも、客の注文は聞いてくれますからお好みな方をどうぞ。

鱈のオレンジ風味、ホワイトアスパラガスのサヴァイヨンとロワイヤル

鮃のオレンジ風味、ホワイトアスパラガスのサヴァイヨンとロワイヤル

次は魚料理で、’鮃のオレンジ風味、ホワイトアスパラガスのサヴァイヨンとロワイヤル‘
オレンジを入れたオリーブオイルでマリネした鮃の切り身にサヴァイヨンソースをかけてオーブンで焼き、ロワイヤルソースで頂くという一品でした、濃厚な2種類のソースが楽しめる、最近はあまり見ないフレンチらしい、ソースで勝負というシェフの自信作でした。

仔牛ひれ肉のパイ包み焼き<ウエリントン>

仔牛ひれ肉のパイ包み焼き<ウエリントン>

メインディッシュは、仔牛ひれ肉のパイ包み焼き<ウエリントン>
文字どおりのお料理ですが、ウエリントンの意味はよくわかりませんでした。
ソースはポートワインとトリュフのソースで、やや匂いのある仔牛のひれ肉にはよくマッチしていました。

レモンのクリームブリュレとベルベーヌのシャーベットとキイチゴのマリネ

レモンのクリームブリュレとベルベーヌのシャーベットとキイチゴのマリネ

デザートはレモンのクリームブリュレとベルベーヌのソルベとキイチゴのマリネでした。いずれも丁寧に作られており美味しかったですが、レモンのスライスがこんがり焼けたのは新鮮な味で楽しめまました。東京の名物に野菜のおせんべいがありますが、あれの暖かいものを想像されると、当たらずとも、遠からずです。

 春はいろんなところからやってきます。花粉症で春到来を知る方もおられるでしょうし、毎朝のウォーキングで、風の匂いで季節が変わったと気が付くこともあるでしょう。
 それになんといっても春の食材が出回り始めると本当に春が来たと実感します。
 和食なら、タケノコや山ウド、あいなめやホタルイカ、タイのお刺身もいいですね。 大きな浅蜊や蛤、そしてフキノトウから始まってウルカ、コゴミ、タラの芽、アブラナと山菜の天然ものが出てきます。そしてイタリアンならなんといってもフルールトマトのパスタでしょう。今は高知だけではなく愛知をはじめあちこちでいいものが出ています。
 

そして木々も芽吹き、日に日に緑が増していくのは、生命力を感じていくつになっても良いものです。
 冬至が済んで、暗く寒い夜長がピークを過ぎて、やがて春分が来ると、みるみる日が長くなっていきます。これから夏至に向かう間が何か希望があって一番いいですね。
 この気持ちだけは、いくつになって変わりませんですねえ。もう希望を持つ年でもないとは思いつつ、気持ちが前向きになります。
 春が来ても、もうさすがに気持ちが浮き浮きするってことはありませんが、これって、体のほうがもう枯れてしまっているのでしょうかねえ。(?)

 

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