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「飲み人」の街、荒木町界隈の最近の変貌

四谷三丁目、荒木町と言えば、ちょっと大人のディープな飲み屋街として「飲み人」には知られた町である。
私が30年以上勤務していた大学病院からは徒歩圏内であることもあり、入り浸るほどではないが、時々は焼き鳥屋とかホルモン屋とか居酒屋、割烹、ジャズバーなどには通ってはいた。
 平成に入る前は、戦前の匂いがする町と言われ、平成に入ってからは昭和の匂いが残っている町として、一部の「飲み人」には強い人気がある。

 しかし、ここも新宿3丁目と同じように、店の新陳代謝が激しく、最近では、小奇麗なワインバーや和食屋も増え、客層も若年化してきたようである。同時に店側の経営ポリシーもかつてとは随分変わってきたように見える。

 以下は最近の荒木町体験です。
 荒木町で遊ばれんとする方はご参考下さればと思います。

*ワインバー「ツ○ヤ」

 合コン仲間5人で行き、ワイワイ飲んで食べていた時に、私の指輪が外れ、床に落ちた。木かタイルの床だったのか、大きな音がして跳ねたような感じであった。全員が音を聞き、オヤオヤということで、足元を探したが見つからず、店のギャルソンにも手を借りて、ライトを使って、テーブルをずらしたりして探しても、洋として出てこない。100パーセントこの席で落としたことに何の疑念もなかったので、閉店後に探してもらい、見つかったら電話してもらうことにして、その場は引き上げた。
 指輪はクロムハーツのものであったので、少々値が張るので、その夜閉店後を見計らって電話してみても、翌日電話しても、「ありませんよ。」と言うだけで、その後はあったとも見つからなかったとも言ってこない。とても誠意をもって探したとは思えない対応なのである。
 確かに、落としたことに関しては店に何の落ち度もないが、落とした当人も同席した仲間も100パーセント出てくると信じていたから、出てこないことが納得いかないし、その不可解さを店側が全く共有しないのも不愉快であった。その後店からは一度だって連絡は無いままである。

 たとえこちらから又電話しても、木で鼻をくくったように「ありませんでしたよ。」というのは目に見えているので、その後は電話する気も起きないでいる。

さて指輪はどこに消えたのというのか?

*蕎麦割烹「松○」

松○、ホタテとトウモロコシのすり流し

松○、ホタテとトウモロコシのすり流し

鱧と旬彩のお椀

鱧と旬彩のお椀

鮑の焼き物

鮑の焼き物

ここへはかつての職場の後輩でもある友人の紹介で行ったので、正面切って悪口はいえないが、これから行こうとする人のための参考になればと一言。

 食べログでは予算3000~3999円になっており、友人からは7000~10000円くらいと聞いていたので、そのつもりで友人と、その友人の3人で行った。料理は群を抜いたものではないが、食材も良いものを使っており、主人の仕事も悪くはない。
 美女二人に囲まれて、いい機嫌で冷酒4合に最後にブルゴーニュを一本あけた。
 勘定は6万を超えた。

 確かに酒によっては、勘定はいくらになってもおかしくはないが、一人の料理が7、8000円見当の店で2,3万のワインを値も告げずに抜いたとすれば、やはりボッタクリの気分があったといわれても仕方あるまい。
 友人のような常連には決してこのような商売はしないであろう。
 要は客を見て取れそうと思った時は取ってしまおうという類の店なのか。

 最後に店の名誉のために言っておくが、料理は始めから一人2万と言われれば、それはそれで納得の行く範囲のものではあった。

 それにしても経営方針は利口ではないと思う。せいぜい4~5万オーバーくらいに押さえておけば、また行くこともあっただろうに、一人のリピーターを失ったのだから。
 さて、「松○」に初てお行きになる時は、値段が明示された料理やコースとお酒を頼むのが賢明だと思います。

*焼き鳥「ど0ま0れ」

ど○ま○れの野菜のスティック

ど○ま○れの野菜のスティック

ここは、僕にとっては超・稀少な若いガールフレンドに連れられて行った店なので、批判するのは大切な女友達を失いかねないリスクがあるのだが、我慢ならないレベルだったので、やはり言っておこうと思う。

 まず料理であるが、今時風の焼き鳥屋としては合格範囲であろうが(肝レア焼きは○)、これが予約の取れない店?と思わず首を傾げる程度のものもあった。パリパリ野菜に、ディップは何ら手も加えていない赤味噌と塩では芸がなさすぎるし、水ナスに蜂蜜はミスマッチであろう。
(水ナスは、やはりEVオリーブオイルにパルミジャーノ・レジャーノでしょう?)

 それより何より、問題は接客マナーである。
 ワインは間断なく、どんどんグラスにたっぷりと継ぎ足しをされるのは、飲む方は落ち着かないし、せかされている思いがする。(事実せかしているのだろう。)一本空く前から次のワインをどうするかと聞き、1本目をつぎ終わると確かめもせず2本目を開けて、注ぎ足してくるという気の効かせようである。
 さらには、私が、グラスの上に手を置き「今はちょっとストップ。」と示せば、なんと断りもせずサッサとグラスを下げてしまったのである。
 焼き鳥も1種類を1本づつ注文すると、時間も手間もかかるから一種類3本頼め(当日は3人だった。)というようなことを無神経に言う始末である。

 客よりも店の都合が優先し、売り上げ第一の効率主義も、ここまであからさまになると呆れるというより引いてしまうのだよ。(と言うのは僕だけのようだけど。何故なら、予約が取り難いというし、当日も満席だったから。)

*ウナ・カンツォーネ

ウナカンツォーネのステージ

ウナカンツォーネのステージ

 カンツォーネやシャンソンを聞かせるバーである。
 僕はこの手のライブハウスには疎いので、よそとの比較は出来ないが、ここは居心地の良いところである。

 7時開店で7時半から1時間、9時から1時間の2回のショーがあるが、入れ替え制ではないので、予約さえ取れば、何時に行っても席は確保されている。
 また、毎日歌手は変わるので、連チャンで行っても同じプログラムに重なることはない。
 小さなハコで、目と鼻の先でプロの歌を聞くことが出来るのは、無理やり聞かされるカラオケに辟易している向きには非常に清々しい満足感がある。

お気に入りのシャンソン歌手と。

お気に入りのシャンソン歌手と。

お気に入りのカンツォーネ歌手と。

お気に入りのカンツォーネ歌手と。

 それにショウが終われば、お気に入りの歌い手と一緒に飲む事も出来る。

 極めて明朗会計で、ショータイムだけでなく、店と客が混然一体となって時間が流れる様は、昔の荒木町がそのまま残っているような感じがする。(ここは実際には舟町だけど。)

 ただ、毎日のように通ってくる、オタクっぽいおやじ達が奇妙な連帯感と存在感を見せているのが、初心者には少々気後れするところではあるのだけれど。

 以上が最近経験した荒木町のレポートですが、かといって荒木町から足を洗うつもりはなく、最近のマスコミグルメで断トツに評価の高い割烹も、フレンチも荒木町にあり、それらは小生は、まだ未体験なので、いずれ近々には食べに行き、又ご報告する予定であります。

 

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