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神楽坂 石かわ「噂に違わず素晴らしい男前の料理」

縁あって,その名も高い神楽坂のいしかわに行った。まず有り難かったのは完全なバリアフリーの設え。そして以外だったのは石川氏の風貌とatmosphereだ。もっとやわなイメージを想像して出かけたが,筋肉質の身体に精気が溢れ出ていた。聞けば齢は60歳とかで,神楽坂で蓮、虎白、波濤、帝国ホテルの寅黒などの7店舗を束ねる凄腕のビジネスマンでもあるから,それもうなづけるというものだ。料理は一言で言えば,男前の料理だ。要はチマチマしていないのだ。お上品な怜夫人がおちょぼ口で食べるのは似合わない男の料理だ。料理そのものは,計算し尽くされた繊細な料理であることは,器の好みや店内の置物,掛け軸,生け花などの室内の飾りを見れば自ずとわかるというものだろう。当日の料理の感想を言えば,糸魚川のズワイ蟹の真薯のお椀、大ぶりの秋田産の黒鮑の暖かい蒸し鮑,量が多くて思わず見間違えたキャビア,オシュトラてんこ盛りのソーメン.夏の終わりを感じさせる太った鮎の塩焼きの頭と骨が抜いて供されたものと,頭と骨のせんべい,メロンかと間違えた賀茂茄子の煮たもの,松茸とコロ,たらの卵とじ風、土鍋ご飯に追い討ちのこれでもかののどくろの煮つけと御殿場のわさびがついた締めのご飯,その他も全て文句のつけようのないものばかりだった。唯一残念だったのは,次回の予約が取れないことであった。なんでも一年先まで埋まったので,今は予約止めにしているとの説明であったがまあ新参者故であろうことは想像に堅くはない。最後のメロンとマンゴーが絶品だったからこそ落胆も大きかった。お代は,芝大門の黒木の約半額強でキャビアの量も多い、リピートしない手はないのにだ。

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