ちょっと早いクリスマスということで友人夫妻と4人で来訪した。レフェルヴェソンスの母体会社のサイタブリアの経営ということなのでスキのないアプローチかと思いきや,ナビ通りの住所でタクシーを降りてもファサードらしきものは見当たらず,マネージャーに電話して案内を受けながら夜道を数分歩いて辿り着いた。しかも入り口は飛び石で夜道では足元が悪く,目も足もおぼつかない老体の身としては来るんじゃなかったと,すぐさま内心後悔した。
お店は案外そっけない作りで,ドアを開けると前室は無くダイニングテーブルがあった。部屋の1/3がキッチンで,1/3がダイニングスペースで1/3がソファが置かれたリビングのイメージか。窓の外は運河に面して広めのテラスがあり、豊洲大橋、臨海地区のタワマンの灯りが臨めとてもロマンチックな眺めが気分を上げてくれた。東京タワーもスカイツリーもビルの合間から見えた。夏場ならサウナに入ってプールでスッキリするのも良いだろうと思ったが,冬は温水プールにしてくれるのでサウナを楽しむ客もいるとの話であった。
ソファでお茶を頂いてから,さていよいよテーブルに着いた。ワインの値付けが案外リーズナブルなのでドンペリを奢ってクリスマス気分を上げることにした。アミューズは人参サプレ、足赤海老のムースリース,レンコン餅の3点で,ついで松茸の茶碗蒸し風.鯨のコロに海水のエスプーマ,レフェルヴェソンス風の野菜サラダ、クエの蒸し物にトリュフと雲丹を添えたもの、鹿のロティと鹿の血のブータンノアール.締めのご飯はツキアカリ米を出汁で炊いた伊勢牛のステーキ丼の櫃まぶし仕立て.どれも個性的で無駄のない,野菜の一片,ご飯の一粒も残させない力のあるものであった.個人的には出汁へのこだわり、サラダへの思い入れ、鹿肉の抜群の旨さが心に残った.これだけ美味い鹿肉を食べたことは無い。デザートのモンブランにかかった国産トリュフのブランド中野トリュフも初めての貴重な体験であった。
レフェルヴェソンスの意味する通りの料理であった。フランス料理と言うが,ラセゾンやトゥールダルジャンや,イノやコートドールとはまるで違う世界で,これはこれで三ツ星は正鵠であろうと感じて、帰途についた.
帰りは比較的近くまでタクシーが来てくれて一安心したが、サイタブリアなりの事情があるのだろうが,アネックスに食事だけにくる客の為にはアプローチの工夫はやはりいるのではないかと思う。ともあれ特別の記念日や思い出作りには是非お薦めしたいお店に間違いはない。







