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Patisserie ondine「そっけなく,さりげなく上質なケーキを提供しています」

聞いた話では,中年の男性タレント二人が舟で古川を巡るテレビ番組の中で,赤羽橋の辺りに来ると,一人が「東麻布はなんか暗いんだよね」と宣ったという。彼は,おそらくしばらく前の東麻布しか知らないんだろうな。麻布十番のグルメ界隈の勢いはとどまるところを知らないが,中でも最近は東麻布は注目店が目白押しである。もともと泣く子も黙る某有名鮨屋もあるが,今は日本料理店は十番に劣らずあるし,フレンチもピザ屋も遜色なく存在している。こと洋菓子においてはオンディーヌ以上の店は十番にはない。
開店して1年くらいだが,変わらずそっけない店構えで,休みも多くて逆に媚びない姿勢だが,それでも確実に客はついていて,お菓子は常に品薄である。今日は平日の昼過ぎであったが,お菓子の残りは数える程で,シュークリームは最後の一つというので,意地汚くそれと,ショートケーキ風のものをサロンまがいのイートインで食べた。前金払いで,セルフに近いサービスでも,嬉しそうに満足気な客が絶えることはない。もちろん私たちもその仲間である。サロン・ド・テでこそ相応しい味わいであるが,それにしても周りの雰囲気が殺風景過ぎる。窓辺には紫陽花とイチジクが植えられてはいるが,それらが育って窓を覆う日が待ち遠しい思いがした。東麻布は暗いとは言わないが,情緒にかける殺風景な風景が多いことは確かなようである。しかし,ケーキはパリを偲ばせる情緒あふれる味わいであった。

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