巷で噂であった寺子屋鮨匠の杣木大将の独立に際して下の二人の寿司職人が共に辞めて新店舗に合流するという話がとうとう実現するに至り,今回が開店以来最後の訪問となった。今回も3人の息はとてもよく合っていて,彼らがこれからの将来も共にしたいと思う気持ちが伝わってくるかのようであった。新店舗の鮨杣木は新国立美術館近くの星条旗通りであり,もともと少しディープなグルメの多い場所で、竜土町ほど怪しくはなく,ミッドタウンや美術館に近く良い立地であると思う。すでに新店舗の予約は4月まで埋まっており,盤石なスタートになるであろう,初訪問が楽しみである。今後の寺子屋鮨匠は,本家四ツ谷鮨匠の勝俣大将が出張ってくるそうで,それもまた楽しみである。全くの新しい布陣となるが,それも返ってやりやすいのではないか。勝俣氏は創始者中澤氏の一番弟子で嵐山吉兆の修行経験もあるというから、酒肴も楽しみであるし,近くには嵐山吉兆出身の名店が2軒,水光庵と寛心があるから刺激も受けるのではないかと思うと期待がさらに高まる。良い店が近場に増えるのは,年寄りにはなかなか無い足し算の経験であり朗報である。なんせ老人の生活は失うものばかりで引き算にはうんざりするほど慣れているからね。
あとはお気に入りの松下村塾の欅の冷蔵庫の扉が飴色に経年変化するのが楽しみである。


