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コクーン歌舞伎

妻に誘われて渋谷文化村のコクーン歌舞伎『天日坊』を観劇してきました。

私は歌舞伎を見たことがなく、この手は全くの初体験でしたので、歌舞伎としての感想を言うことは出来ませんが、なかなかなものでしたよ。

日頃行く演劇とは一味違いました。

三茶のシアタートラムや下北の鈴なり劇場と同じでは申し訳ないか。(いやそっちの方が僕は好きだけど)

新進の若手歌舞伎役者と自由劇場系の舞台俳優の
コラボが見せ所の一つということでしたが、宮藤官九朗の脚本、串田和美の演出も良いのでしょうが、
歌舞伎役者のオーラの様な存在感はさすがというか、ブランドの力も侮れないなと思いましたよ。

舞台音楽はトランペットとギターのジャズが演奏され、様々なシーンを絶妙に盛り上げていました。

微妙な心理描写を、トランペットのソロで高音を吹き奏でた時は、マイルスデイビスの死刑台のエレベーターを彷彿とさせるほど迫力がありましたよ。

そういえば、開幕の合図も太鼓ならぬ、
ドラムとシンバルでしたし、舞台の終わりの見せ場では、トランぺッターが後ろに勢ぞろいして吹くなど、
ちょっと感動しましたね。

京踊り(祇園では都踊りと言うそうだが)を見た時に、舞台より両脇の地方(じかた)や囃子(はやし)方の三味線や鼓、謡いの迫力に妙に感動したのを思い出しましたよ。

妻の話(因みに妻の専門は宝塚ですが。)によると、本当の歌舞伎ではセリフが理解出来ず、イヤホーンで説明を聞きながら見るのだそうで(まるで、オペラの字幕と同じではないか)、そうするとコクーン歌舞伎は一応聞きとれるし、「マジで?」など今風の言葉も出てきて、非常に分かり易かった。

ただ分かりやす過ぎるのもどうかと思う所もありましたよ。
『俺は誰だ?』と言う、何だか実存風な問いかけがテーマらしいのですが、
主人公がそれを紙に書いて見せながら、一幕目が終わるのは、ちょっと親切すぎないかと思ったりしました。

いずれにしても3時間半の長丁場を退屈しないでみることが出来、
とても良い週末の一時でした。

さてカーテンコールが盛り上がる中、いち早く劇場を後にして、
白金の四の橋のフレンチレストランに直行しました。

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