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奥三河湯谷温泉?思春期の思い出に浸る

母親の見舞いに、田舎に帰った帰り道に奥三河の湯谷温泉に一泊して来た。

奥三河とは豊橋の北方の新城市から長野県に接する辺りを言うらしいが、昔はそのような言い方はしなかったように思う。

鳳来寺山という1400段を越える石段を昇って頂上に達する、岩峰も怪しい雰囲気の信仰の山があり、頂上には開祖が702年という真言宗の鳳来寺という名刹がある。また徳川家康を祀る東照宮もある。

鳳来寺山

宇連川の清流


その麓には、やはり開湯1300年という昔からの湯池場があり、それが今はリゾート地の湯谷温泉になっている。カーライフの「2012.7.27ジープに乗って-1」の飯田時代の所でも書いたが、飯田線が天竜川沿いに走り、風光明媚な中でも特に景観の美しいところである。隣駅が、信長を世に知らしめた長篠の戦いの古戦場跡である。

鳳来寺山には、中学校1年の林間学校で登ったことがあった。その後中3の時に友人とキャンプに行ったこともある。つまりは多感な思春期の思い出満載の場所なのである。

思いリュックサック、きつい石段、大きな杉の木、深い森、仏法僧(このはずく)の鳴き声、霊気漂う山頂、宿坊での雑魚寝、夜の肝試し、朝の冷気と霧、硯石のお土産、思い出は尽きることはない。

55年の間をおいて、思い出の地を尋ねるのは何とも切ない気分であった。

湯谷温泉の宇連川の石畳の清流や、深い山の自然の豊かさは今も変わらず残っていたが、鳳来寺山にはドライブウエイが出来、あの階段を昇らなくとも頂上に行けてしまい、また鳳来寺は鉄筋のお堂に変わっていた。

さて、今回泊まった宿は、当地でいくつもの旅館を経営するグループの一つで、はづ木という小体な旅館で、宇連川の清流が窓から望める地に立っていた。

旅館はづ木

玄関

ロビー

 

宿の食事は、不思議なことに本格的な薬膳料理であった。中国の正統派のもので、部屋の内装から食器までそれなりに形になっていて驚いた。奇妙ではあったが、これと言って食材のないところでは良い考えかもしれないとも思った。味にも雰囲気にも十分満足できた。

内風呂

露天風呂

部屋からの眺め

薬膳メニュー?

薬膳メニュー?

烏骨鶏のスープ

魚の蒸し物

老酒

貝柱と卵白の炒め物

肉まん

ダチョウ肉の醤油煮

チンゲン菜の炒め物

海老の炒め物

トシシの炊き込みご飯

白きくらげのデザート

タピオカと餡

お茶

朝食


欲を言えば五平餅も食べたかったけれど。

奥三河は、箱根にはない手つかずの本当の自然が残っており、信州や上州の温泉地ほど観光化されていない素朴さが味わえる。また鳳来寺山には1300年にも渡る山岳信仰がもたらす、えも言わさない霊性が漂い、何か自分の意識や自我が一つ高まったかのような、ある種の精神的な転換を感じる事が出来る、日本では数少ない上質なリゾートであると思う。

それに湯谷温泉には新東名高速道の浜松いなさICから三遠南信自動車道に入り鳳来峡ICで降りれば、10分で着けるという便利さである。東京からでも4時間あれば十分な距離である。

皆様も是非一度お尋ねになられることをお勧めします。多分今までに体験したことのないspiritualな気分と自然の豊かさを体感し、人生を見つめなおすキッカケになるかもしれません。

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