またしてもサントリーホールのコンサートの後のディナーで訪問した。ラストオーダーが22:00というのも嬉しい。
個室を初めて利用したので,何かと気が楽ではあったが,まるで隠し部屋に4人が潜むというのが相応しい大きさで少し落胆した。中華の個室というものは,広くて真ん中に大きな丸いテーブルが鎮座しているものと、昭和の人間は刷り込まれているが,思えば最近はテーブルにナイフフォークで銘々に取り分けられて提供されるフレンチスタイルは珍しいことではなくなっている。丸い真ん中が廻るテーブルなど今や中華街にでも行かないとお目にかかれないかもしれない。私の経験ではフレンチスタイルの最初は青山のダイニーズテーブルであったように思う。隠れ家的な地下の暗めの照明でインテリア,カトラリーがオシャレで新しもの好きな洒落者達に人気であった。おそらく伝説のイタリアン、飯倉のキャンティの中華版であったと思われるが、特段味が優れていたわけでもないので,フレンチスタイルが当たり前になった今はどうなったんだろうな。あの根津美術館前の通りもすっかり様変わりしてしまい、昔からあるのはブルーノートくらいではなかろうか。イタリアンモダン家具のB&Bやジルサンダーの旗艦店があったことを懐かしむのは歳をとった証かもしれないな。
さて料理であるが,フカヒレ姿煮、あわび、ツバメの巣の文言の誘惑に負けて高い方のコースを奢ってみた。飲み物は,アルコール制限のある身ではビールを飲むことが増えたが、良い店には最近は一般には手に入らない特別なビールが置いてあることが多い。麦芽に拘った無濾過の生ビール、所謂ホワイトビールが流行ってきた.和食にも洋食にもどんな料理でも食中酒として合うビールが作られるようになったというわけで、これはビール好きには嬉しいことでありますね。先には鮨屋、和食屋でインディーズ系のロココビールを経験し、柑橘系の香りがして喉越しもスッキリととても気に入ったものだ。エッセンスにはサッポロの白穂の香があり、これもとても良かった。すかさず2杯空けて,次は迷った末にグラスの紹興酒にした.アルコールは種類を問わず3杯までと主治医に内緒で勝手に決めているからである。
アミューズは牛筋の煮込みであったが,これにはバゲットがよく合うもので、森下の居酒屋山利喜では昔から置いてあったが,さすがにエッセンスには置いてなかった。前菜はいつものようにクラゲ,シャコ、タコ,サーモンなど凝ったものが六種で、これらは廻るテーブルのミニサイズのお皿に乗せられていた。フカヒレは金華ハムの上湯スープでとても上品なコクのある味わいは流石で,魚料理は甘鯛のポアレで麹町のビストロ、オープロバンソーのによく似ているが,焼津サスエ前田の魚だから特別にうまく感じた。ツバメの巣のスープの燕の巣は衣笠ダケとズワイガニに埋もれて確認出来ないほどであったが、同伴者の皿に運良く個体を確認出来たので半分っこした.実に台湾でタピオカと一緒のデザートで食べて以来,10年ぶり以上の僥倖であった。薬膳スープは朝鮮人参の恩恵か,飲む先から身体が熱ってきた。鮑は蒸し鮑の万願寺のピリ辛味で、これは正直アワビが惜しいと思った.肉料理はブランド牛の足利マール牛との説明を受けたが、ワインの葡萄の香りまではわからなかったが,もも肉にしては柔らかいのは焼き方が上手いのだろうが,このまんまステーキを中華というのは,僅かにソースの違いだけだろうな。食事は舞茸ご飯に麻婆豆腐で,これがベストマッチ。デザートは3種で,ココナッツ饅頭が変わらず美味い。
料理のジャンルが,どんどんボーダーレスになって来ているが,カテゴリーにこだわる方が寧ろおかしいというものだだろう。森羅万象何事も不確定でスペクトラム状であることは量子論が教えるところでもあるし、われわれは何も考えずに、コンサートの余韻に任せて,ただ美味い美味いと食べるのが正解のようだった。





















































































































