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一年ぶりのプリズマ賛歌

秋になって街中のレストランでセップ茸が、リストランテでポリチーニが出回ってくると、南青山のリストランテ、「プリズマ」の白トリュフが無性に恋しくなる。
今年は少し遅くなったが、11月中旬にプリズマを尋ねた。
実に一年ぶりであったが、考えてみれば去年もおそらく1年くらいのインターバルであったから、白トリュフ目当てのプリズマ行は私達の年に一度の年中行事になってしまったようだ。
気に入ったお店には、すぐに裏を返し顔を覚えてもらい、その後は少なくとも数か月に一度は通い、忘れられないように様に努めるが、プリズマはぺルゴラ時代から数えれば15年近くになるから、もうその心配はなかろうと安心しているのかもしれない。
今は遠い親戚に会いに行くような、あるいは高校か大学の教師が教え子に会いに行くような心情に近いものかもしれない。
そうは言っても斎藤シェフ夫妻に小生が何かを教えたなどと言うことではサラサラないのではあるが。
元気にやっていれば、それだけで良いし、成長し発展していればなお嬉しいのである。

料理は変わらず築地で厳選した素材に工夫を施したものが中心で、優れて個性的であった。行けば、必ず味覚に新境地を開いてくれる新しいお皿が常にある。
今回は、以下のようなお皿であった。

本日のメニュ

本日のメニュ

テスト

 

佐渡島産黒イチジクとプロシュート

佐渡島産黒イチジクとプロシュート

白いかのグリリア

白いかのグリリア

寒ブリのアフミカート

寒ブリのアフミカート

真鱈の白子のインパデッラ

真鱈の白子のインパデッラ

アルバ産白トリフのタリオリーニ

アルバ産白トリフのタリオリーニ

フルーツトマトとリコッタチーズのラビオリとイワシのポルペッティ

フルーツトマトとリコッタチーズのラビオリとイワシのポルペッティ

⑨長崎産クエのアロスト

長崎産クエのアロスト

大雪さん小鹿のアロスト・バローロビネガーソース

大雪さん小鹿のアロスト・バローロビネガーソース

焼き栗の白トリフカケ

焼き栗の白トリフカケ

⑫お馴染みのプチフール

お馴染みのプチフール

斎藤シェフ夫妻と記念写真

斎藤シェフ夫妻と記念写真

斎藤夫妻はぺルゴラ時代から理想に向かって一途に駆け上がって来て、今は自分達の立ち位置を築きあげ、一息というところだろう。次なる高みを見つけそれに向かって野心を燃やしている最中なのかもしれないし、次なるステップを見つけあぐねているのかもしれないが、斎藤夫妻には自分達の料理の原点を決して忘れて欲しくはないものだ。

食材には妥協しない、一流の鮨屋に負けない魚を使う。客数の増加に合わせてテーブルを増やさない。多店舗展開をしない。多くの弟子や使用人を雇うことで生じる無駄なエネルギーを避ける、などなど。
これらを貫くことで、三ツ星のグランメゾンに決して引けを取らない料理の味とサービスを維持してきたのだ。名店の常であるように、マダムの力も大きいが、なんといってシェフの料理に対する真摯な姿勢が原点であることに疑いはない。

人には、その人なりの生き方がある。料理人の生き方も千差万別であるから他人が口をはさむことでは決してないが、プリズマのようなスタイルのレストランがあり続けることは日本料理の名店劣らず日本の誇るべき文化遺産であろうと思う。

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お土産に頂いた佐渡島産黒イチゴ

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