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修善寺あさばの夕ご飯

修善寺の‘あさば’の夕ご飯についてご紹介します。(旅館のハードウエアについてはCASA―AF2012.12.03に 書きましたのでご覧ください。)

あさばの料理は旅館料理では日本一ともいわれ、つとに評判であり、改めて言うのもはばかれますが、今回初めて有名な‘天城しゃものたたき鍋’にありつけましたのでその供され方も含め、ご紹介したいと思います。

最初にお断りしておきますが、私は、一介の客として泊まったのであり、
記事を書くフードジャーナリストや旅館の評論家ではありませんので、
ご飯をおいしく食べるのがまず先決で、写真を撮るのは二の次ですので、料理の写真の漏れはありますが、そこのところはどうぞご寛容に読み流してください。

食事に用意された部屋は、サロンの上階に当たる、能舞台に横から対峙する2階のテーブルの間でした。

まず、献立は写真にある通りです。

献立

一番目のゆば蒸しは、最初の一皿でしたので、まずは箸が走ってしまい
写真は撮り忘れました。

二番目の香箱蟹は、ご存じのように松葉ガニの雌で珍味として評価の高いものですが、小さな木の箱にぎっしり並べた供され方の美しさに我を忘れて即食べてしまい、やはり写真を取るのを忘れてしまいました。

次は八寸で、九谷の須田青華の丸皿に、からすみ、蒸しアワビなど絵にかいたような珍味が美しく盛られていました。ここいらでようやく余裕が出て
写真が撮れました。

八寸

次いでは沢煮椀で、ごぼうやウドの千切り野菜のしゃきしゃき感が胡椒の効いたお澄まし味で引き立ち、見事な輪島の椀に負けないしっかりした
一品になっていました。

沢煮椀

お造りは平目と赤いかで、少量ながら、ねっとりと旨みがいっぱいの盛り合わせで、

お造り

焼き物は鰆でしたが、飛騨コンロで目の前で焼きが仕上がる演出になっていました。

焼き物

次いで菊の花の酢の物の小鉢が出され、揚げ物は、伊勢海老を素揚げにし、だし汁で煮びたしにしスープ仕立てになっており、揚げることでエビの
甘みが凝縮され、だし汁に通すことで油が抜け食べやすく、豪快な一皿になっていました。

揚げ物

口直しで定番の黒米のあなご寿司です。(家人はこの黒米あなご寿司と朝食の卵焼きがあれば、あさばに来た甲斐があると常々申しております。)

黒米の穴子寿司

最後に、あさばの冬の看板料理の軍鶏(しゃも)のたたき鍋が登場しました。

しゃもの叩き鍋

この料理は仲居さんが目の前で作って取り分けて供されます。(夏の名物、鯵のたたき鍋も同様です。)

Y氏夫人は、池波正太郎のファンで、軍鶏というだけで 鬼平犯下帳が目に浮かび、舌がうずくようで早くも興奮気味でした。

しゃも鍋では上野池之端の鳥栄がダントツですが、それに比べると、叩き方はかなり荒めで、つくね団子は男っぽい仕立てです。

しゃもの叩き鍋、つくね団子

ここに至って、今回の目玉、シャトーラトゥールは抜群の相性をみせてくれました。

シャトーラトゥール86年

最後はご飯ですが、窯で炊かれたご飯が頃合いよく運ばれ、

釜だきご飯

新米が美味しい

 

雑炊を作るかと思いきや、鍋に、とき卵だけを入れ半熟にして、卵のお汁を作り、

玉どんの準備

卵のお汁

 

それをご飯にかけて丼風にして食べます。

これはご飯そのものの味わいがよく残り、さらさら感もあってとてもおいしい食感でした。

つゆだくの吉牛のようにといっては申し訳ないか。

玉丼

(そういえば鳥栄では卵なしで汁だけかけてお茶漬けのようにして、べったらと共に食べますが、ここでは丼の風情が、飾らず、またよろしい。)

テーブルがリセットされて甘味とフルーツが運ばれ、残りのワインを頂き、これであさばの夕食はめでたく大満腹、大満足でfiniとなりました。

大満足でした。

旅館の朝ごはんは、また楽しみの一つで、いい旅館はこぞって朝ご飯に力をいれます。

あさばの朝ごはんもとても美味しいのですが、それはまた次にお邪魔した時にご紹介したいと思います。

ちなみに私もY氏も立派な糖尿病患者です。

主治医の先生ごめんなさい。

でも、あさばに御出でになれば、きっと不良患者の気持ちもご理解いただけるものと思います。

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