4月某日、タカラズカ宙組公演「トップハット」を赤坂アクトシアターで観劇の後、紀尾井町の和食屋「山ぐち」で夕飯を食べた。
「東京いい店、うまい店」という本は、かのミシュランガイドより歴史の古い、元祖グルメ案内本であるが、発行元の文芸春秋本社が紀尾井町にあることもあり、紀尾井町、麹町、半蔵門、永田町、番町近辺の情報も多く、今の僕には大変重宝になっている。
その中に、割烹料理の「山ぐち」が載っており、紀尾井町に来てからは、しばしば行くようになった。
本によれば、京都の「割烹すだ」という名店で長年修行して10年くらい前に当地で開業したらしいが、僕は「すだ」は知らないし、店主の個人情報には、あまり興味もない。
店は場所柄か、文芸春秋絡みの出版関係の客が多いようであるが、個人客は少なく、従って、お店は満員か(カウンター5,6名と離れの6人までのテーブル席が一つ)、我々一組かという感じで、予約を断られない時は、大概空いていて女子と2,3人で行くには、極めて使い勝手が良いのである。
料理は、経歴からして当然京料理だが、いかにも京都らしいという、例えば「菊の井」とは違うし、「と村」、「京味」とも違う、うまく言えないが、も少し野趣味を感じさせる、江戸前京料理という言い方が相応しいかもしれないというものである。
多分、店主の山口さんは関西の出ではないのではないか(おそらく関東)。
料理は8700円を中心に上下に2,3種類のお任せコースのみである。
基本的に献立表は無いのだが、当日は女将に頼んで書いてもらったので、当日の料理の案内に一緒に載せておきます。
小生は、普段は中位のコースですが、当日は家族サービスで奮発し松コースにしました。
料理は正統で、丁寧で手抜きが無くとてもよいし、亭主も腰が低く居心地もいいが、ここの名物は、なんといっても,女将であろう。
初めて行った時は、あまりに客あしらいが荒いので、女将ではないのかと不審に思い、「あなたが女将さん?」と、尋ねると、「いいえ、おかめです」、と答えるから、妙に納得したりしたものだが、何回か通ううちに、とても味のあるなかなかの女将と認識を新たにしました。
今や女将会いたさで行くようなもので、癖になる女性です。主人のみる目は料理だけではなかったようです。
さて、諸兄は「東京いい店やれる店」という兄弟本?を御存知でしょうか?
ホイチョイプロダクション名で小学館から出しているものでありますが、隠れたベストセラーらしいです。
こちらの著者は、なかなかの情熱を込めて恋愛作法を熱く語っています。
もちろん小生も愛蔵していますが、タイトルがやばくて布団にもぐって、懐中電灯で読んでますよ。なんせ本の帯は「この本はエロ本です」ですよ!
ちなみにこの本で「傾向と対策」を練って、イザ出撃しても完落ちどころか半落ちすらしたことはありません。オール完敗です。
著者は本当に文字通りに成功しているのでしょうか?あの情熱に満ちた確信的表現は、単なる欲望から来る願望表現なのでしょうか?
いずれにしろ、本の中のこと故、真実は不明です。