ホームへ戻る

誕生日あれこれーところでミシュランって何?

今年も誕生日が巡ってきて、「また一つ年を取ってしまった。」、というより、「今年も誕生日を迎えられた。」という方が実感に近いという年になってしまいました。
フェイスブックにブログが掲載されるためか、見ず知らずの多くの方からお祝いのメッセージを頂き、年甲斐もなく嬉しい気分になりました。皆さん、お気に掛けて頂き本当にありがとうございました。
また今年は、色々な心のこもったお祝いを頂きました。

しろたえのチーズケーキ

しろたえのチーズケーキ

まずは私のクリニックのスタッフが、昼休みに話題にしたことのある赤坂の‘しろたえ’のチーズケーキを買ってきてくれ、ろうそくに火をつけハッピーバースデーを歌ってお祝いしてくれました。私が鈍いのか、本当にサプライズでした。
‘しろたえ’をご存知の方には、その価値がお分かりのことと思いますが、クリニックから徒歩10分以上はかかると思うのですが、探し当てて買って来てくれたのには、少々感激しました。

ジョージ氏のアールデコのアンティークグラスボトル

ジョージ氏のアールデコのアンティークグラスボトル

私のクリニックと同じ建物の一階にある、美容室イエス・ジョージの畏友ジョージ氏が、しばらく前に自分のためにチェコで買って封を切らずに愛蔵していたウイスキーを入れるガラスのボトルをプレゼントしてくれました。アンティークガラスで、アールデコのシャープなデザインが素晴らしく素敵なもので、早速クリニックのサイドボードの上に飾ってあり、毎日眺めては満足感に浸っています。美しいものはいつまでも美しいのは人と同じですねえ。

隣は山梨の遊び人です。

隣は山梨の遊び人です。

そして、さて、これはどこでしょう?銀座の、今や女子供でも知っている戦前からある大人の花園ですが、誕生日を知ってかどうか、ショーのダンサーたちがフロアーに招き記念撮影をしてくれました。突然のことで、小生の茫然自失の様子が良くお分かりかと思います。

バースデーケーキ、斎藤シェフ作

バースデーケーキ、斎藤シェフ作

最後は誕生日の食事に青山のプリズマ(グルマン2013.5.10,CASA-AF2013.6.18)に行ったら、斎藤シェフがバースデイケーキを作ってくれていて、心のこもったお祝をしてくれました。

どれもこれも嬉しく心に残るものでした。

そこで今回はプリズマの近況を綴ります。

一年ぶりの訪問だったので、シェフとマダムのお二人でお出迎えをしてくれ、ちょっと懐かしい親戚におよばれしたような気分になりました。相変わらずお二人で切り盛りされていましたが、料理のタイミングも私達の早いペースに見事に合わせてくれ、少しも手持ち無沙汰など感じさせない見事なコンビネーションプレイを見せてくれました。

キッチンではコンロの上に3つも4つものフライパンに火が入り、オーブンでは絶えず何かを焼きながら、鍋ではパスタを茹でるという離れ業は、料理人の職人芸というより、サーカスの曲芸を見るような思いで、思わず見とれてしまう程でした。

プリズマのメニューa

プリズマのメニューa

プリズマのメニューb

プリズマのメニューb

鯵のパンタネッラ

鯵のパンタネッラ

リードボーのラビオリ春のトリフと

リードボーのラビオリ春のトリフと

アスパラとハマグリのフォンドゥータ

アスパラとハマグリのフォンドゥータ

料理の完成度は、益々円熟の域に入ってきており、今回は‘鯵のパンツァネッラ’と‘春トリフがのったリードボーのトルテッリ(ラビオリ)’が新鮮なお皿でした。
また‘ホワイトアスパラと蛤のフォンドゥータ(スープ仕立て)’はプリズマならではの春を告げる幸せな一皿でした。
鯵は鮨屋で板前が目の前でさばいてくれるものと同じような新鮮さであり、僅かにスモークされた香りが魚介を得意とするシェフのセンスの良さを見せており、パンツァネラという家庭の冷やご飯のような料理を洗練された一皿に仕上げていました。

キャビアと赤ワインソースのタリオリーニ

キャビアと赤ワインソースのタリオリーニ

タリオリーニは十八番であるからもちろん美味いのですが、今回はキャビアがしっかり驕られていて、私には久ぶりということもあってか、目がくらむような味わいでありました。赤ワインソースも隠し味が何処かイカ墨のような味わいを出しており、イタリアンの技の渋さが光った一品でした。

小鳩のサルサぺヴェラーダ

小鳩のサルサぺヴェラーダ

メインは小鳩のローストでソースはぺヴェラーダという胡椒の効いた肝系の濃厚なものですが、よくある血のソースより、僕はズーとこちらの方が好ましく感じました。血の匂いもジビエ好きにはたまらないらしいが、僕は元の商売柄、手術中に顔にかかる血の匂いが連想されてあまり好きではありません。この鳩のローストは絶妙な火加減で、正直言えば、トゥールダルジャンの鴨より美味しいと思えました。

とにかくプリズマの料理は、私の味覚では超一級ですが、なぜかミシュランでは無視されたままであります。一方文芸春秋が4、50年前から出している日本のミシュラン「東京いい店うまい店」では☆5つの最高峰であります。筆者の論評もべた褒めになっています。

私のグルマンライフで取り上げた、ラ・ボンバンス(2013.5.30.)は一つ星,イルペンティート(2012.11.2.)アメコヤ(2014.3.5.)はビブグルマン(5000円以内であがる美味い店)で星をとっているが、ペンティートが5000円で上がると思って行ったら、初めての人は、びっくりするだろうと思いますよ。
私のお薦めの白金のラシエット(2012.7.18.)や紀尾井町のプロバンソー(2014.12.3.)は無冠である。

この格差は何か?

というかグルメ本というのはこういう程度のものと思った方が良いということかもしれませんね。ミシュランに載ったからといって驕ってみても滑稽でしかないし、載らなかったと言って嘆くのも無駄な気苦労というものでしょう。

評価本の評価を必要以上に高めたのは他ならぬ巷の自称グルメたちだと思います。
聞くのと実際の違いは、誰もが食べログで経験していることと思います。
ミシュランはそれと同じか、それ以上と思った方がいいのだろうと思います。

要は、人の評価など当てにしないで、自分の足で自分の舌に合う店を探すしかないと言うことなのでしょうか。
元々ドライブ旅行でガソリンスタンドに寄る客のために、ホテルと地元のレストランのガイド本としてタイヤ会社がサービスで始めたのが、いつの間にかとんでもない権威を持ってしまって、当のミシュラン社自身が一番驚いているのではないでしょうか。

右がそば粉のガレット

右がそば粉のガレット

ところで、プリズマでは最後の飲み物でお茶菓子が出ますが、今回の注目はそば粉のガレットでした。
なんと静岡県島田市の‘藪宮本’(関連記事2012.8.1.)のそば粉で出来ていました。
それで、どれほどの味の差が出ているのかは良くは分かりませんが、その心意気が良いではないですか。

食材は少しでも質の高いものを求める、それこそプリズマの信条であり、真骨頂でもあります。
斎藤シェフご夫妻!今のまま精進されるのが一番だと信じています。

 

ログイン