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グルマンライフ

月島ホルモン「在市」-飛騨牛で京風ホルモンを食す

ごちゃまぜ焼き

ごちゃまぜ焼き

 小生のホルモン好きは既に何度となく述べてきた。ホルモンといえば、昔は豚の腸や肝を串に刺して焼き鳥風に焼いたもつ焼きが主流であり、それが赤ちょうちんの焼き鳥の定番であった。
 今は、ホルモンといえば、焼肉屋の牛の大腸、小腸、胃袋、横隔膜などが一般的になってきた。
小生は赤ちょうちんの焼きトンも好きだが、現在は、昔のように丁寧な下ごしらえとタレに凝ったいい店がなかなか見つからない。(吉田類の酒場放浪記では良く登場するのに、なんでか?)
 昔は新宿西口の大ガード裏の小便横丁(現おもいで横丁)や渋谷の京王線ガードの近くには旨いモツ焼きの店が沢山あった。シロ数本でカストリ焼酎を一杯やるのが、田舎からポットでの学生にとって、大人になったような精一杯の背伸びであったような気がする。その後社会人になって、未だ飲酒運転が犯罪では無かった頃は横浜反町や国立駅裏の焼きとり(モツ)屋にも良く遠征したりしたものだった。又手術が深夜に及ぶときは、信濃町から深沢までお気に入りの店にテイクアウトで買いに行ったりもした。

 渋谷の「ゆうじ」を始め、いくつかのホルモンの名店を覚えて以来、小生は、ここ数十年はホルモンが、焼き肉の代名詞となったが、近年は巷でも牛ホルモンは大人気である。しかし数年前から食品衛生法がうるさくなり、生レバー、ユッケが消えてしまい少々興ざめの人も多いのではないでしょうか。20年ほど前は、四谷荒木町ではレバーに限らず、多くの消化器系、生殖系の臓器を生でスライスして出す店があり、しばしば通ったものであったが、今思えばぞっとするような話ではあります。

店内風景

店内風景

 さて、今回紹介するのは、月島にあるホルモン屋「在市(ざいち)」です。
 月島といえば下町のB級グルメ(もんじゃ)のメッカのような印象がありますが、月島は行ってみると、街並みは清潔でスッキリしており、建物も小奇麗なものが多く、意外な感じを受けます。(該当区民の皆さんには失礼しました。)
 在市も焼肉屋としては、モダンな清潔感のあるインテリアのお店で、赤坂あたりで名を成しているような焼き肉店よりかなり洗練されている。
 オーナーが岐阜県の出身だそうで、その縁で飛騨牛の上ものが手に入るので飛騨牛専門店を名乗っているようです。飛騨牛といえば、元は松阪牛の名牛一頭を仕入れたことから始まり、努力の甲斐あって昨今は松阪を超える程のブランド化に成功したものであります。

 小生は昨年の後半に3度立て続けに訪問しており、行けば目一杯食べて来るので、おおよそのメニューとシステム、店の雰囲気は理解したつもりです。
 お店はテーブル席が大小5つくらいとカウンター席があります。その他にも2階もあるようです。カウンターには座ったことが無いので分かりませんが、テーブル席はかなり強力な吸煙装置が付いており煙が目に沁みるようなことはありません。それに、火力は炭火ですが、焼き網が独特で、まるでジンギスカン鍋のような形(そのもの?あるいはプルコギ鍋?)をしており、焼いた肉から出る油が溝を伝わって鍋の淵に集まるので、炭に落ちて燃えて煙が出るようなことはありません。従って団扇や氷で煙処理をする必要が無く、良いアイディアだと感心しました。

牛の部位イラスト

牛の部位イラスト

 メニューは豊富で、牛の殆どの部位が食べられますが、肉の部位の名称が立派なイラストになって壁掛けになっていて、あらためて見ると勉強になります。
 基本はお店の薦めに従って食べればハズレはありませんが、店員の知識量に差があり、また、ここでは肉はお店の人が焼いてくれますが、それも技術力に差があり過ぎるのが当店の最大の課題ではあります。これは鮨屋の握り、あるいは花屋のアレンジメントと同じで、誰に当るかで差が出てしまうので、初めてでも遠慮することなく店長にお願いするのが賢明かと思います。何でもそうですが、肉であっても、その物語性を説明してくれると価値、旨さも増すものです。

 ある時、面倒だと思って、始めの注文時に、まずグラスビール、次は赤ワインをボトルでと同時に頼んだら、最初にワインをもってこられたことがあった。唖然として、注意すると、「なぜイケナイカ?」という顔をする位のレベルで、せっかく良い店なのだから、バイトといえども従業員教育にもう少し気を遣った方が良いのではないか、と改めて思ったものだ。

 この感覚は、食べ方の順番にこだわらない (一部の) 群馬県民の作法と同じではないかと呆れた。

下町といえば、所作と建て前、粋を売りにしているのではなかったの?と。

大判ロースの薄切り

大判ロースの薄切り

卵をつけて食べる

卵をつけて食べる

 さて、肝心の肉であるが、まず飛騨牛のロースの薄切り大判を食べるのがベストの選択であろうと思う。一皿にA5ランクロース肉80グラム見当が二枚付いて2000円しないのはかなりのお値打ち感があるし、これをレア加減で焼いて溶き卵につけて食べると、高級なすき焼き屋で仲居さんが焼いてくれて一口目を食べるのと同じ感覚になる。肉が大きいだけにもっと感動が大きいかもしれない。一緒に行った連れの女子大生が、すかさず、「白いご飯を下さい」と注文した時は、してやったりと、こちらも嬉しくなったものだ。但し、これは最初に食べないと感動が薄い。試しに最後にアンコールしたことがあるが、やはりホルモンの後ではこうはいかなかった。

ごちゃまぜ焼き、焼き上がり

ごちゃまぜ焼き、焼き上がり

ホルモン九条ネギ焼

ホルモン九条ネギ焼

 この店のレベルが確認出来たら、次は本番のホルモンだ。タンはやや厚切りで食べごたえがあるが、それほど個性的ではない。お奨めは「ホルモンごちゃまぜ焼き」だ。シマチョウ、マルチョウ、テッチャン、ミノ、ハチノス、ハラミなどをごちゃまぜにして自慢の味噌だれに付け込んであるモノを焼いてくれる。モノによって焼き時間に差があるので、注意深く焼き分けて、焼き上がると端に置いて薦めてくれる。これはまさしく京都で食べるホルモンそのものである。京都は全般に繊細な料理の仕方を得意とするが、一方でホルモンの食べ方は大雑把で豪快である。京風では付け込む濃厚なタレが店の勝負らしいが、塩コショウで味付けし九条ネギをたっぷり乗せたホルモンネギ焼もまた美味い。後はイチボ、ハラミ、トモサンカク、ザブトンなど皆美味いが、一皿のボリュームもそこそこあるので一度の訪問では到底全部は食べきれない。従って、遠方にも関わらず、つい何度も通うことになるのである。メニューにある飛騨牛の土鍋ご飯も美味そうだが、残念ながらそこまで到達したことはない。
 食後のハーブティも本格的だし、デザートのプリンもアイスクリームも良かった。

ハーブティ

ハーブティ

老人には美少女が良く似合うのだよ

老人には美少女が良く似合うのだよ

 焼肉屋としてもかなり上級な店といえよう。元祖、青山の第一神宮のような高級店志向ではなく、かといって昔からありがちな乱雑な構えでもなく、また叙々苑のような一定の規格にはまったチェーン店感も無く、個性的で客とも一体感があり、コスパも良い。運よく「良い係りさん」に当たれば、かなり満足度の高いお店である。

 オーナーが時々巡回しては、大声で店員に檄を飛ばしていて、こっちが驚いてビビることがあるが、その教育熱心さをホールのアルバイト店員にも及ぼして欲しいと思うのは小生だけではあるまい。

 ともあれ、久々のホルモン、焼き肉店のヒットであることは間違いない。

 

京都「未在」から青山「宮坂」へ-「プリズマ」斎藤シェフ推薦の京懐石


プリスマの斎藤シェフがかねてより贔屓にしていて、絶対行くべきと、薦めてくれていた京都「未在」のスーシェフ(二番手板前)が青山根津美術館脇に新店を構えた。(本当は何番手であったかは定かではないが)
斎藤氏の紹介を受けて、この度訪問してみた。

 「未在」は、推薦されて間もなく、「ミシュラン京都版」が出るようになり、いきなり三ツ星をとったため、予約がすっかり取れなくなってしまい結局行かず仕舞いになったままであり、その味も雰囲気も知らないので、今回は、全く先入観なしでの初訪問となった。
 根津美術館の角の交差点を西麻布に抜ける道に入り路地3本目に立つビルの地下にあるが、店の名前も出ておらず、また入り口もそれらしくないので、割烹着のお兄さんのお迎えが無ければ、おそらく戸惑ったと思われる構えである。

インテリアは、旧家の御勝手場を連想させるかのように、漆喰が煙でくすんだのをイメージしてか黒漆喰で壁一面が塗られていた。飾り棚風なところが、床の間に見立てて一段高くステップが切られ、そこに掛け軸と生け花が置かれていた。書は茶事好みの趣味の良いものであり、投げ入れは椿の一輪であり、漆喰壁と良く調和し、ワビ、サビを上手く演出していた。
炭を入れた七輪が置かれた焼き場は黒光りした銅が漆喰の枠に塗られて区切られており、それが黒壁と色彩がとてもマッチし、デザイナーの非凡なセンスの良さが際立っていた。
カウンターは大きな一枚板であるが、木目が浮くようにはっきりしたもので、どうも檜ではないようであった。

まあ、一言でいえば東京ではあまり見ない新しい和のセンスの、ひいていえば京都「中東」の竃を連想させる素朴でありながら重厚で、さてここで何が出てくるかと大いに期待を誘う雰囲気をつくりだしていたのである。

 料理の献立は、食べログに既にいくつかのコメントで紹介されており、それと内容が同じだったので、ここでは説明は省くが、料理は総じて第一級のものであった。食材の選択では、京都の一流料理人のプライドが滲みでるものであり、野菜はすべて京都産を使うなどの京料理への強い拘りを感じさせたが、写メは禁止であったので、器や盛り付けのセンスをお見せできないのが残念である。
 しいて言えば、松葉ガニの真薯の椀は、最初こそ出汁の香りが強く鼻腔を刺激するが、カニをほぐすうちに、間もなく香りが立消えてしまったのは少々残念な気がした。
 器の趣味も良く、焼き物は京焼と唐津の新物を中心にかなり洗練されたもので揃えられていた。盆,椀などの塗り物もおそらく輪島の良いものであったろうと思う。箸はお約束の濡れ箸であった。
 アルコールは日本酒は辛口の良いものが揃っていたが、グラスワインはプイィフュメとあと一種類で、料理に見合うものではなかった。ワインはプリズマのマダムのアドバイスが必要なようである。  
 終わりのご飯の赤だしが、京都の八丁味噌との説明であったが、八丁味噌とは、三河岡崎市八帖町の2社だけが持つ商標であり、赤だし一般とは異なることをご存じでなかったのには少々、意外で驚いた。

 僕の好きな根津美術界館界隈にまた一つ目標ポイントが出来た。B&Bもフェラーリもエルマンノ、セルヴィーノもいつの間にか消えてしまったが、代わりにこうした名店が忽然と現れる。東京とは、誠にダイナミックで目の離せない街である。

 「宮坂」は、おそらく来年の11月にはミシュランの星をとり、やがて3つ星になろうかと予測させる店であったが、そうなればそうで予約が取れない店になってしまうのかと思うと善し悪しで、気分は複雑になるのである。

 今年最後のグルマンライフを飾るに相応しい良店には違いない。

 

天麩羅『天真』-銀座だけではないぞ、天麩羅の名店 

 天麩羅は鮨と並ぶ、和食の雄である。
 日本の男は、人に紹介できるくらいの天ぷら屋の一軒位は常に持っていないと粋とは程遠いであろう。

 以前、赤坂の『楽亭』に20年以上通っていると、ここで書いたが(2013.7.6.グルマンライフ参照)、楽亭の主人が亡くなって、店も閉めたと聞いたのが、今回紹介する『天真』の亭主からであった。

 天真は、住所は平河町であるが、麹町駅からほど近く、小生の仕事場からも3,4分ほどの距離であり、ランチで天丼を食べに行ったりしているが、たまには人を招いてディナーで行くこともある、お気に入りの天ぷら屋である。

 天麩羅も、日本料理や鮨、蕎麦をはじめフレンチ、イタリアンでもそうであるように、系列と言うか店主の修行し育った出身店によっていくつかに大別される。

天麩羅は鮨に比べれば店舗数そのものも少なく、関東の天麩羅屋は「天一系」「天政系」「山の上ホテル系」「京星系」「みかわ系」くらいで殆ど網羅されるという。

 『天一』は銀座に大店を構え、弟子も一番多く、最も有名な老舗である。なかでも「天亭」は良く知られている。以前に紹介したが、天一は群馬の谷川温泉に建築家吉村順三の遺作となる「天一美術館」を持っている。(2013.5.16.CASA-AF参照)

 『みかわ』の主人も美術、書画骨董には一家言のある人でコレクターでもあるが、天ぷらの科学性にもこだわる人であり、それらが少々薀蓄、説教くさいと思うのは小生だけではあるまい。但し、天ぷらは説明通りに味わえば確かに旨い。

 『山の上ホテル』は、昔から作家が執筆に専念するように出版社から缶詰にされる宿として知られ、多くの文人がそこの天ぷらを贔屓にし、池波正太郎等が隋筆で紹介したためにつとに有名になった。歴代の料理長の多くが有名店を構えていて、『近藤』や『楽亭』がその筆頭格であろう。小生はなぜか「近藤」には縁が無いままであるが、「楽亭」には随分世話になった。

 『天政』の初代は、天ぷら紙に油が付かなかったという伝説があるくらいの天才職人であったらしいが(小生は実際には知らない)、その天政の一番弟子が『天真』である。
 天真の天麩羅は、四日市の九鬼のごま油と綿実油の混合で、衣をフワッと揚げるのが特徴で、「みかわ」のようにカリッと脱水させないところは『楽亭』に近い。最初にサイマキ海老から始まるのは定番通りだが、頭の素揚げが最初に出るところが面白い。多分それなりの理由があるのだろうが、未だ聞いてはいない。
 それと最後のご飯に、かき揚げをばらしてご飯にまぶした、「天バラ」というものがあるが、天政流なのであろうか。 
 天真の主人は、楽亭の故亭主と対称的に饒舌であり、世相にも詳しく教養も深い。特にワインには一家言がありそうで、ワインのストックも多い。
 ちなみに天麩羅には一本目はソーヴィニオン、2本目はシャルドネが彼のお薦めである。
 天ぷらはどれも美味いが、小生はメゴチや秋口のハゼなど江戸前の白身が特にお気に入りである。ソラマメ、アスパラや銀杏などの野菜系の揚げ具合も絶妙である。

海老の頭

海老の頭

サイマキ海老

サイマキ海老

銀杏

銀杏

キス

キス

稚鮎

稚鮎

アスパラガス

アスパラガス

メゴチ

メゴチ

椎茸

椎茸

大葉

大葉

ハぜ

ハぜ

ミョウガ

ミョウガ

レンコン

レンコン

ソラマメ

ソラマメ

穴子

穴子

天バラ

天バラ

 

 店は、カウンターの他テーブル席が一つと、揚場のついた個室が一部屋ある。無論目の前で亭主が揚げてくれる、お座敷天麩羅であり、神楽坂の『天孝』と同じスタイルである。仲間内でくつろぎたい時、お忍び、接待には使い勝手が良いだろう。

座敷

座敷

 今は、楽亭の後継として、それ以上に『天真』に大いに満足しているのである。

 

『すし家』のつまみ―才気と色気の備わった若きすし職人の作る技

 以前、この欄で「ようやく見つけた行きつけにしたい鮨屋」として紹介した「すし家」の話の続きです(グルマンライフ2014.5.28.)。

 親方の石山氏は30代前半とまだ若いが、鮨においては当然のことながら、酒のツマミにも研究熱心で、通う程に、時期に合った厳選された質の高い工夫に富んだものを出してくれる。
 料理の勉強熱心さでは人後に落ちないだろう。

 僕が紹介するまでもなく、彼はマスメディアにもしばしば取り上げられ、次世代のすし職人のホープとして注目されており、既に著名人の常連も多く、また最近では、外国人やご婦人のフアンも急増し、鮨よりも彼に通う人もいる程で、今や鮨業界のアイドル的なモテ様である。
 多分、小生のような凡百な男には分からない、女性を引き付ける独特な‘男の色気’がそうさせるのであろう。
 それでも驕ることなく、謙虚にひたむきに握り続けている姿を見ると、ますます将来が楽しみに思えるのである。

 先日行った時には、この休みの日には、静岡のお客さんにお供して、清水の鮨屋『末廣』に行って来たと話していた。
 『末廣』は、ハッキリ言えば、江戸前の本流とは外れた、インド洋のクロマグロなどの、謂わばネタの豪快さで売る個性的な鮨であるが、彼はたくさん勉強させてもらったと真顔で言っていた。

 実は何を隠そう、小生が鮨に目覚めたのはその「末廣」であった。
 もう35年近く前になろうか、出向で清水の病院に手術に行くと、手術が終わるや否や脱兎のごとく『末廣』に駆け込み、新幹線「東京行」の最終便までの間に、初めて口にするようなクロマグロのトロや炙り、炙って塩と柚子を振ったアナゴや生シラス、分厚い蒸しアワビなど未体験の高級鮨屋の‘すし’というものを毎回たっぷりごちそうになったものであった。
 まあ、それまでは、鮨らしい鮨など知らなかったので、驚嘆と共に一気に鮨に開眼したのであるが、その後、通ううちに『末廣』も隆盛を極め、迎賓館付の立派なお屋敷のような一軒家に新たまったのである。
 やがて清水に行く回数も徐々に減り、段々末廣通いの足も遠のいたのであるが、又時を同じくして、東京でも鮨屋探訪を始め、徐々に江戸前鮨に目覚めて行ったのである。

 まずは近所の下北沢の「こさざ」から始まったのだが、そこの親方の横柄さ、高飛車ぶりには驚いたものだが、当時は、それが良い鮨屋の証のようでもあったのだ。
 「こさざ」を持ち上げた山本益博がグルメ評論家として登場したばかりの、その後のバブル景気の息吹が生まれたばかりの頃の話である。
 「こさざ」の親方に閉口して、打って変わって愛想のいい銀座の『小笹』を贔屓にし、西荻の『たなか』に、次いで上野毛にあった『あら輝』や西麻布の『鮨寛』などにもしばしば通い、最近10数年は、閉める前の赤坂の『喜久好』が馴染であったが、その後はグルマンライフに書いた経緯で銀座の『すし家』に落ち着いたのである。

 鮨の好みは、ネタの支度もそうであろうが、結局はシャリの按配と握りの加減で決まると思うが、ここで、それについて講釈を述べるには、小生の知識も経験も足りず力に余るので、今回は酒のつまみを紹介して、若き親方、石山氏の力量を推察して頂こうと思う。
10月某日と11月某日のものの一部である。

1) 岩牡蠣

1) 岩牡蠣

2) 半生のくちコ

2) 半生のくちコ

3) 戻りカツオのスモーク

3) 戻りカツオのスモーク

4) 和風味のオイルサ―ディン

4) 和風味のオイルサ―ディン

5) のど黒の酒蒸し

5) のど黒の酒蒸し

6) いくらの醤油漬け

6) いくらの醤油漬け

7) シャコ

7) シャコ

7) シャコ

7) シャコ

8) 香箱蟹

8) 香箱蟹

9) のど黒の炙りの芽ネギ巻き

9) のど黒の炙りの芽ネギ巻き

10)鮟肝

10)鮟肝

11)自家製からすみ

11)自家製からすみ

11)自家製からすみ

11)自家製からすみ

12)自家製ホタルイカの味醂干し

12)自家製ホタルイカの味醂干し

13)アナゴの白焼き

13)アナゴの白焼き

14)さばの棒ずし

14)さばの棒ずし


最後に握りのお気に入りも少々載せておきます。

平目のコブ締め

平目のコブ締め

縞鯵

縞鯵

サイマキ海老

サイマキ海老

ずけ

ずけ

こはだ

こはだ

雲丹

雲丹

卵焼

卵焼

 

男の食卓

 前回、この欄で‘女性との夢の食卓’を書いたら、「あいつは女としか飯は食わないのか」と言われたりして内外での評判が、はなはだ良ろしくなかったので、今回は‘男の食卓’について書こうと思う。
 一般にレストランでの食事は同性どうしで、とりわけ男同士でするものではなく、特にフレンチやイタリアンでは、それはお店に対してマナー違反というものである。
 お店の雰囲気を損なうからである。
 たとえ男が、小奇麗なセンスの良い出で立ちで振る舞おうと、男だけでテーブルを囲む姿は、良からぬ企みか取引き、贔屓目に見てもビジネスがらみであろうと思わせ、所詮はむさくるしいのである。特にダークスーツ(ビジネススーツ)で揃っていては最悪である。少なくともカップルで食事を楽しみながら、恋を語らっていたり、思い出作りに浸っている人達には迷惑であろう。

 ヨーロッパでは男が二人で食事をしていれば、通常はホモと解釈されるそうである。
しかし我が国には、古来、接待と言う文化があり、男同志でも恥ずかしくない場所、むしろその方が良いというところもあるようである。小生には縁がないが。そういうところには、(料亭とかお茶屋であろうか)なぜか都合よく女性がはべっているのである。

 一方、気の置けない男同士が似合う場所もある。小料理屋やおでん屋、焼き鳥屋、板前割烹、すし屋、天ぷら屋の類であるが、昨今はそこにも女類を引き入れたりするものだから、自然に女類だけでも出没するようになり男の聖域が侵されて来ているのである。
 カウンター席の他人と隣り合うような処で、女子と話せる話とは何なのだろうか?
 諸兄は女子と人生を語り合いますか?政治や哲学で盛り上がりたいと思われますか?

 人間は成人期に至れば、老若男女を問わず。常に自分をアッピールして生殖期であることの勤めを果たそうと愛を語るものであるとは、発達心理学の教えるところである。
 すし屋の早い時間だと、それらしい淑女を同伴して来ている紳士をよく見かけるが、小生には、やっかみ半分ではあるが、バカとしか思えないのである。
 普通の日本男児が、歯の浮くような口説き文句を、それも他人に聞こえるような所で言っても、相手にされると思いますか?言われた方が引くでしょう。それに、すべてが筒抜けのような所で、淑女が色っぽい振る舞いをするわけもないし、色よい返事をするわけにもいかんだろう。
 また、そのような淑女は大抵香水が強くて隣の客に迷惑をかけるものだが、くだんの紳士はその気遣いが出来ず、決まって得意そうにワインを飲んでいるから、その手の人種は直ぐに分かるのである。
 基本、すし屋は、何でも言えるような(香水は控えめにするように、とか)気の置けない仲になってから(女房とか)行くところなのだよ。
天ぷら屋も同様だ。
 すし屋、天ぷら屋はブラタモリならぬ、力の入らないブラメシが良いのだ。深謀遠慮や、よからぬ目的を持って行ったり、変に構えて緊張して行っても、つまらんだろう。
 食べることに専念して、間髪を入れず、手渡しの感覚で食べてこそ、親方に喜ばれる良い客になれるし、結果として人より旨いものにありつけるというものだよ。

今最も嘱望されている若手すし職人の一人―すし家の親方

今最も嘱望されている若手すし職人の一人―すし家の親方

雲丹も握る

雲丹も握る

麹町天真ーサイマキ海老

麹町天真ーサイマキ海老

琵琶湖の鮎

琵琶湖の鮎

 洋服に沁みつくような煙や匂いが湧き立つところこそ‘本当の男’の天国である。と思っていたが、最近はそこも女類に浸食されて来ているようだ。居酒屋、焼き鳥屋、焼き肉屋、ホルモン屋の類である。(今やホルモン好き女子をホルモンヌと言うらしい。)
 小生は肉よりホルモンの方が好きである。焼肉屋に行っても基本ホルモンしか食べない。だから男どうしなら焼肉屋には行かない、ホルモン屋に行く。
 やはり、ご同類が多いらしくて、旨いホルモン屋は年中混んでいるし、予約も取り難い。
 百獣の王、ライオンを見よ、彼等は飢饉でもない限り内臓しか食べない。女類の好む刺しの入ったロース、バラ(カルビ)、イチボなんぞ見向きもしないのである。

ホルモン俵屋

ホルモン俵屋

メニュー

メニュー

団扇使いが焼きのコツです

団扇使いが焼きのコツです

 豚カツは「孤独のグルメ」にふさわしい男のご飯である。個人的には、どこかに貧乏学生の御馳走風なイメージが残り、気張った男の一人飯の侘しさが漂ってしまい、女を口説く武器にはならないだろうと勝手に思い込んでいるが、それは単なる刷り込みだろうか。
 それでも時々は無性に食べたくなるのが豚カツである。
 神田小川町の「ポンチ軒」は、赤坂見附のプレデンシャルビル近くにあった「フレッツ」の名前替えした店である。最も料理の内容は、豚カツがメインとなり、町場にある普通のとんかつや風にはなっていたが、往年の旨さはそれなりに引き継いでいる。(ミシュランのビブグルマンでフォークをとっているよ)
 言うまでも無く赤坂にあった「旬香亭」の斎藤元志郎氏がオーナーの店だが、従業員は、オーナーの職人にありがちな非社会的な非常識さを引き継いでいてか、傍若無人な振る舞いが気になるし、おまけに、オーナーの目が無いことにかこつけてか、手抜きが目につく。油は悪くなっているし、揚げのキレも悪い。このまま放置すれば、かつてのフリッツとは全く別物になってしまうだろう。
 斎藤氏は、最近目白に旬香亭を再オープンしたらしいが、こちらはどうだろうか?そちらの旬香亭は、赤坂時代と同じ古賀シェフが仕切っていると聞くので、おそらく大丈夫であろうが、斎藤氏も東京進出で大成功したからと言って、静岡に引っ込んで、お大尽暮らしでは、いつしかしっぺ返しを食らうのではないかと気にかかる。
東京の客をなめたら、あかんぜよ。

ポンチ軒のマット

ポンチ軒のマット

エビフライ

エビフライ

 男同士でも無論、フレンチでもイタリアンでも行きますよ。その場合は、個室か、ほぼ貸切状態にして使う。理由は先に述べた通りである。
 形成外科医の頃の後輩達との同窓会もその一つで、最近は、神楽坂の「かみくら」の様にちょっと気取ったところに行ったりもする。まあ、古民家でフレンチと言う、良くあるパターンであったが、今やよほど頑張らないとリピートはむつかしいだろうね。

形成外科同窓会

形成外科同窓会

かみくらの前菜

かみくらの前菜

かみくら主菜

かみくら主菜

さて、ジャズバーは男店、女店のどちらであろうか?最近は、「ウナカンツォーネ」や「カエルたち」などシャンソニエにも出入りするが、ジャズバーはなぜか男同士が良いような気がする。多分くすんでばかりで色気のなかった学生時代を懐かしく思い出すからだろうか。小生は、DIG,DUG、PIT INが青春でしたからねえ。

麹町ジャズポット

麹町ジャズスポット

銀座かえるたち

銀座かえるたち

 

 

老人の秘密のドリームテーブル

老人だって、息抜きが必要だ。
老人だって、たまには男に戻ってもいいじゃないか、
老人だって、ちょっと秘密を持ってもいいじゃないか、
老人だって、夢の食卓を味わってもいいじゃないか。

僕の夢の食卓なんて、谷崎潤一郎や川端康成のしたことに比べれば、少女の屁にもならない可愛いものさ。

老人の見栄で断っておくが、これは同伴ではないよ。-それなら誰でもできるじゃないか。
お店は、若き女子が憧れるような高級店でもないよ。-それなら話は簡単すぎるじゃないか。

1. 阿佐ヶ谷のラピュータレストラン―「山猫軒」

ラピュータビル

ラピュータビル

1階はシネマ・ミニシアタ―

1階はシネマ・ミニシアタ―

  「面白そうなお店見つけたから行ってみない?」と誘われていってみたイタリアン。
お相手はイタリアン食材輸入のプロ。現地集合だったので、電車で出かけ、迷いに迷った挙句、お迎えに来てもらった。
 建物がジブリのようで可愛いのだ。建物の前には池があり金魚が泳いでいた。細い螺旋階段を昇ってドリームテーブルに着くのだが、これが老人カップルだったら、「無理しなくてもいいのに,ハラハラするよ」と言われそうだが、じい様が若い御婦人に手を引かれて行くから、世間も微笑んで?くれるのだよ。

メニュー

メニュー

前菜盛り合わせ

前菜盛り合わせ

オマールとホタテのポアレ

オマールとホタテのポアレ

ひれ肉とフォアグラ、ロッシーニ風

ひれ肉とフォアグラ、ロッシーニ風

デザート盛り合わせ

デザート盛り合わせ

無題

無題

 食事は思いの外に上等。老人と行かなくとも、女子会で支払い可能なプライス。

2. 嵐の日でも並ぶ平河町のおでん屋―「稲垣」
営業で、日夜全国の盛り場で飲んだくれている女酒場放浪記を地で行くような女史と飲み会。しかし、実物はほら、JKの様に愛らしいじゃろう。この彼女が、お酒には一家言も二家言もあるから恐ろしいのだよ。

お店の名前は稲垣

お店の名前は稲垣

おでん鍋は3種類

おでん鍋は3種類

刺身も良い

刺身も良い

「稲垣」は、おでん屋だけど、魚も天ぷらも、すべてが美味しくて行列のできる、平河天満宮の門前にある居酒屋。おでんは、関西風、関東風、名古屋風と3種類ある。従って大きなおでん鍋も3個ある。

名古屋風おでん

名古屋風おでん

無題

無題

名古屋風は無論味噌仕立て。牛スジが土手焼き風で美味。刺身も上等。
10月からは予約が効かなくなるから、並ぶことは覚悟で、どうぞ。

3.3年間の休業に入った唯一無比のかき氷―赤坂トラヤ

宇治金時クリームがけ、白玉付

宇治金時クリームがけ、白玉付

くずきり

くずきり

 あの赤坂のトラヤ本店が改築の為10月某日から休業閉店した。休業は3年間と言うが、仮店舗営業はしないと言う。
 かき氷はトラヤに尽きることは、甘党なら誰しもが認めるところ。小生も夏が来たら、まずはトラヤのかき氷、夏が終わりそうになったら、ゆく夏を惜しんでトラヤのかき氷と言うほどのファン。
 女子を誘うに恰好なところ。真昼間に氷を食べるのに何ら警戒心は抱かないだろうし、お店はセレブ感があるし、それに無条件に美味いし、自分で払うには少々高級だから誘われも嬉しいだろう。
 所詮値段の安いものなら、とびっきり最上級を選ぶのがコツ。

これからの3年間行けないのは非常に残念。こちらは3年後があるかどうかの身と言うのにだ。

4.「こんないい店やれる店」推薦の青山の隠れ家レストラン―CICADA

CICADAテラス

CICADAテラス

オープンテラス

オープンテラス

 広尾商店街からちょっと入ったところでやっていた無国籍料理のお店が南青山のスパイラルビルの裏に移転した。オープンテラスやプールのような水回りがあって一昔前に流行ったお洒落感覚。

ひよこ豆のディップ

ひよこ豆のディップ

クスクス

クスクス

リブロースのステーキ

リブロースのステーキ

無題

無題

 料理は本格的だがリーズナブルなプライス。従業員の態度も、良く教育が行き届いていて、最近になく二重○。
 クスクスランチ定食に、アンガス牛ステーキランチを食べたが、料理も二重○。この雰囲気で、この位の価格設定で夜デートが出来れば、老人の財布にも優しい。
 お相手は無論三重○でした。

5.これ以上のシチュエーションは望めないテラスでランチを―「ローストビーフの伊豆花」

伊豆花

伊豆花

テラスは相模湾が眼下に

テラスは相模湾が眼下に

畏友イエス・ジョージがプロデュースして、かつオーナーの店。
暇つぶしに、どうしてもドライブがしたくて、近隣女子に大募集をかけ、唯一返事があった彼女と一緒に熱海は伊豆山へドライブ。
日頃の行いがたたったのか、あいにくの雨模様になりもうした。
晴れていれば、眼下に相模湾で、初島を望む絶景。

前菜

前菜

ローストビーフ

ローストビーフ

料理は、鎌倉山仕込みのローストビーフ。3キロ位で140度で1時間焼き、40分は寝かすと極意を聞き出し、大収穫。
車だから飲めなくて、男の色気も出せずに意気は上がらず。
近くのMOA美術館は、時間切れで行けずに終わりました。

無題

無題

伊豆花の庭

伊豆花の庭

エピローグ:
結局のところ、秘密の夢が覚めたから、日の目を見たのがこのブログなのである。
人生幾度となく痛い目にあっても、相も変わらずボロを出しては、必ずバレテしまう、この脇の甘さは何とかならないものであろうか、ご同輩。

 

斎藤シェフの「プリズマ」賛歌―これ以上のイタリアンは想像することすらできない。

 半年ぶりに南青山、根津美術館裏のプリズマに行った。友人のお誘いを受けてのことであった。ま、プリズマ仲間である。
 私達の前回の訪問は3月であったので(グルマンライフ2015.3.11.参照)、その時は春を呼ぶ瑞々しい早春の食卓であったが、今回は秋の訪れを感じさせる落ち着いたシックな初秋の食卓であった。
 それにしても、斎藤シェフの料理は行く度に進化していて驚く。
 秋トリュフの始まる頃、この時期が彼の最も力の入るシーズンであるが、あの修行僧のような姿形と、トリュフの妖しい香りとは、どうにも似つかわしくないから面白いものである。
 ま、私達もトリュフの色香、妖艶さとは無縁の存在であるから同類ではあるのですが。
 今回私達が食べたトリュフは、どうもプリズマの入荷第一陣の最後のトリュフの様であり、丁度、お店がはねる頃、第二陣の入荷があり、偶然その瞬間に立ち会うという奇遇を得ました。

① ②

 思い出すに、同じ様な光景に以前も立ち会ったね、と連れが申しましたので、今回はその風景を写真に収めました。どこの食品輸入会社か知りませんが、ALBAと銘打った木箱に入れて恭しく持ってきて、斎藤シェフのお眼鏡にかなうものか、お伺いを受けながら、取引をするという風情でした。
 本日のお買い上げは持ってきた3個すべてでした。良かったですね。
 プリズマも盛況を伺わせ何よりでした。

 トリュフの妖艶な香りは、フランス貴族の妖しい自堕落な生活を彩る媚薬のようなものであったのでしょうが、私達は初孫を待ちわびる二組の老夫婦であり、そのような用途とは残念ながら無縁ですが、それにしても,秋の白トリュフは、いたく鼻腔を刺激するものですね。
 鼻炎や何かで嗅神経の機能していない人は決して食べてはいけません、治してからでないともったいなさ過ぎますから。
 それにしても、秋は洋の東西を問わずフンギ(菌)、キノコが美食の中心になりますね。日本の丹波の松茸、大黒シメジ、ポリチーニ、(仏セップダケ)と、思い出すだけで心が騒ぎますね。

 さて、それでは斎藤シェフの今回の渾身の料理を紹介します。

③

1)トマトのジュレとモルタデッラのムース
 なぜか白いトマトのジュレに,エミリアローマニャ地方の郷土料理ボローニャソーセージのムースが乗ったアンティパスト。ソーセージの脂肪がトマトのジュレで中和されるさわやかな一皿目。

④

2)エシャロットのスフォルトマートとキャアビア
 スフォルマートは、溶いた卵ににハム、チーズ,野菜を入れてオーブンで焼くグラタン風の料理を言うらしいが,ここではまるで茶碗蒸しのように仕上がっており,上にのせたキャビアが贅沢感を演出し,心憎い一皿になっていました。

⑤

3)佐渡島産黒イチジクとクラッテロ ディ ジベッロ
 皮が薄いのでそのまま食べられる佐渡が島産の黒イチジクの上に,生ハムの最高峰、パルマはジッベロ村産の豚を使ったクラッテロ(熟成12ヶ月以上の生ハム)が乗っていたお皿。スペインのハーモン・イベリコ・ベジョータだけが最高峰ではなかったのですね,初めて食べました。イチジクも故郷の愛知産のものしか知らなかったので、思わぬ強敵が現れた印象でしたが、食べてみると、皮があるかないかの薄さで、実も締まり、味も濃く、愛知を遙かに凌駕しており,これが生ハムの塩分と良く調和していて、全員が唸るほどにショッキングなほどおいしかった。

⑥

4)クロアワビと京子芋とのアロスト、肝ソース
 山口産?のクロアワビと子芋を蒸しアワビのように、蒸すか茹でて、それを軽くアロストしたものであろうが、プリズマの前身ペルゴラ時代の初期にココット仕立てにしたアワビをよく食べたが,その懐かしさが蘇ったが、アワビは数等レベルアップしたものになっていました。千葉のマダカのアワビを彷彿させるように肉厚で柔らかく、かつ表面がこんがりローストされていて、これはまさに異次元のうまさでした。肝のソースがいいですね。イタリアンだからこそ出来る技ですね。また子芋との組み合わせが,秋を感じさせて粋でした。

⑦ ⑧ ⑨

5)白トリュフのタリオリーニ
 この一皿のために来店する客がいるほどの(私達も経験がありますが)、プリズマの看板料理。トリュフを引き立てる様にタリオリーニは細めに打たれており、今年のトリュフは香りも一段と強く,文句のつけようもない芳醇な一皿でした。
 気のせいか,マダムのスライサーもやや厚めの設定だったような気がしました。
 前にブログに書いたせいかなあ、マダムごめんなさい。<グルマンライフ、2013.12.9>

⑩

6)トマトとカザッテラチーズのラビオリ
 薄い、薄いワンタンを連想させる様なラビオリでしたが。ここまでの料理で、かなりパンチを食らっていたせいか、カザッテラチーズがどんな味であったか、ソースが何であったかは忘れてしまいました。ただ、繊細さが印象に残った一皿でした。

⑪}

6)リクリツィアのグラニテ
 お口直しのグラニテは、甘草味で胃も一休み。

⑫ ⑬

7)小鳩のアロスト
 メイン料理は、5種類の中からチョイス形式で。
鳩は二人前以上とあったので、私は友人の奥方と組んで、ランド産の鳩にしました。 
推測ですが、おそらくソースはサルサペヴェーラータ。文句のない焼き加減。

⑭ ⑮

8)利平栗のフリットと白トリュフ
 デザートもチョイス。
 一皿目はシェフの気配り。はち切れそうに実の張った焼き栗にトリュフをかけていただきます。これがまたよくマッチングしているから不思議。

⑯

9)キャラメル風味のクレスペッレと白トリュフ
 二皿目はクレープにトリュフをかけて。

⑰

10)ババと黄金梅
 これは、連れの選択。サバランである。スポンジに含まれるアルコールが梅酒なのか?

⑱ ⑲ ⑳

11)フレッシュミントティとお茶菓子
 焼き菓子が7種とホオズキの砂糖菓子。すべて手作り感のあふれる可愛らしいお菓子。ほぼ定番のものですがホオズキは特に他では味わえないものなので、いつ来ても美味しい。
 そういえば、先日蓼科農場で、食用ホオズキを売っていたが、あるものなんですね。
 カップはジノリ。最近はカトラリーにもこだわりが見えるようになり、これも楽しみになってきた。本日のプレートもジノリと見た。

 今回は、これでfini。
 年を取ったせいか、ワインも白を1本とバローロの赤1本を飲んだだけで、かなり酩酊し食後のスピリッツはなしで直帰しました。
 アルコールは量を飲めばいいというものではないが、年を重ねるにつれ自然と酒量は減るもので、老年期の下り坂を実感しつつ帰路に着きました。

 当日は私達4人の他にも二組のテーブルが埋まり、ほぼ満席状態でしたが、、相変わらずシェフとマダムの2人3脚で切り盛りされていました。それでもサービスは滞ることもなく、スムースに流れるから驚異です。

 少々お疲れ気味のシェフと溌剌としたマダムのお二人の健康を御祈念します。

私達の余生の幸福な時間のためにも、心から。
ごちそうさまでした。幸せな時間でした。

プリズマのマスコット

プリズマのマスコット

 

同伴でも行ける美味しい、まともなイタリアンーAWキッチン丸の内店

お盆休みに、家庭の事情で、一人飯の日が続いたので、珍しく同伴出勤というものをしてみた。
小生が通うお店だから、銀座とは言え、高級店ではなく庶民派の代表的なお店なので、同伴出勤時間は7時20分までにと早い。7時に食べ終わることが出来る、まともなレストランがあるとは思えないので、「吉牛」にしようかと言ったら、お相手の淑女が、まさかと言って、探してくれ予約までしてくれたので、間抜け面下げて新丸ビル5階にある「AWキッチン丸の内店」に5時に出かけた。

 結論を先に言うと、これがまた、とても良いイタリアンレストランでありました。

バーニャカウダ

バーニャカウダ

 オーガニック野菜を自慢にしているだけあって、バーニャカウダはパリパリの味の濃い野菜ばかりで、季節柄、色の濃い夏野菜が中心でしたが、なかには知らない黄色のズッキーニ風の珍しいものや、近頃人気の紅芯大根などもありました。
 ソースはニンニクもアンチョビも控えめであり、これからお仕事のある淑女や、未だこの先予測不能のカップル向けになっていました。
 ではあのポタージュ状の液体は一体何なのでしょうか?

ビルの谷間が黄昏て

ビルの谷間が黄昏て

 時間は夕暮れ時で、窓の外に目をやれば、丸の内の高層ビルの窓が黄昏色に反射し、
今は都会のど真ん中で少し不謹慎な愉悦に遊ぶ我が身を反省しつつも、野菜のスティックは那須の二期クラブの朝食で出た自家菜園の野菜サラダを思い出していたのであります。
 かようにここの野菜は、美味しかったのであります。

 メニューは多くが野菜中心の料理ばかりだったので、メートルドテル風の紳士に、動物性タンパク質はおありかと尋ねると、厨房に行き、フレッシュフォアグラが一枚あるからソテーはどうかと問うので、お願いすると、とろけるように焼いた丸ナスの上にフォアグラを乗せたお皿が運ばれてきた。

フォアグラソテー

フォアグラソテー

 ナスは、米ナスを揚げた田楽風のものとも違い、皮も実も形がしっかり原形を残しているのに、皮が自然に剥がれ、身はとろけるように火が入っている。どのように調理したのか分からないが、並々ならぬ技術であろうと、素人目には思えたのであります。
 それにフォアグラの火加減も良かった。
 付き添えのトウモロコシも、昨今長野で採れる、生で食べるスイーツコーンのようであった。

トロフィエアラビアータ

トロフィエアラビアータ

 最後はお店の自慢料理でもある、ショートパスタ、トロフィエのアラビアータにした。
アラビアータはトマトソースに唐辛子を効かせたソースが命のような料理であるが、トマトソースが、極めて丁寧に作られており、自慢するだけあって絶品と言うにふさわしい一皿であった。
 実は自分でも、かつてペンネアラビアータに凝ったことがあり、唐辛子とニンニクを焦がさず、香りと辛みを絶妙に引き出すのがいかに難しいかは知っているつもりであるから、なおさらそう感じたと思うのである。
 トマトソースも玉ねぎ、人参やセロリなど香味野菜を焼いてからホールトマトと煮込んで、シノワで濾して作ったのではと思わせ、料理の丁寧さがしのばれるものであった。
 ただトロフィエと言うパスタはニョッキのような弾力は良いのであるが、形状は寄生虫学を思い出させて、その点だけは、小生には、いけていなかったのである。

 ここまでで1時間であり、デザートとお茶を飲む時間は十分にあった。と言うか、結局余裕があり過ぎ、時間調整をしてタクシーを拾った。

 さて、無事時間は守って、入店したのであるが、席についてしばらくしてもお相手の淑女は顔を見せないのである。
 なんと、あろうことか、他の席についていたのである。
 後で事情通に聞くと、淑女は、店に入った客の指名順で席に着くそうで、同伴した小生は一番目の客ではなかったので、後回しにされただけとの説明であった。
 このような夜の社交界?のルールに疎い小生は、何か腑に落ちなかったのであるが、
夕方5時からやっていて、1時間そこいらで十分満足のいく食事をさせるところがあることを教えてもらった満足感が、それを上回ったのである。
もちろん、付き合って頂いた淑女が、外で会っても、益々魅力的であったことが、(実はこの事実こそが超稀少な現象なのですが、)大きなポイントになったことも言うまでもないことであります。

AWキッチンは表参道や、麻布、中目、二子玉にもあり、多店舗展開しているA.W.と言う日本人がオーナーのお店らしいが、野菜へのこだわりが徹底していて、時間が許せば、食べてみたいと思うような、ブルスケッタ、スフレオムレツ、フルールトマトの冷製スパゲッティーニ、等のメニューが満載であった。

 したがって、AWキッチン丸の内店が、「私の又訪ねてみたいお店」のリストに入ったのは極自然の流れであったのである。

 ところで、肝腎の銀座のお店の方であるが、「私の又訪ねてみたい店」に残ったかどうかは,内外にデリケートな質問であり、ここでは答えを明かせないことは、賢明なる紳士諸兄にはご理解頂けることと思います、ご同輩。

 

暇にかこつけた最近のランチ風景

 小生にとって、ランチはもともと手術中の合間に食べることが多かったので、簡便にカロリーさえ取れればいいというのが習い性になっており、まったく拘らないのである。
 従って普段はコンビニのおにぎりやサンドイッチで済ますことが多いが、それでも時々は外出する。それも多くは徒歩数分圏内であるが、たまにはワザワザというお出かけもする。そんな最近の小生のランチ風景をお見せします。
 仕事場のある紀尾井町からは実は10分も車で走れば銀座、四谷新宿、青山原宿澁谷に行けるので、東京の美味しい、あるいはお洒落なレストランの大半は射程距離に入ってしまうから、後は財布との相談だけである。

*ソラノイロのラーメン

ソラノイロ

ソラノイロ

中華そば

中華そば

 ミシュランのビブグルマンで星をとったラーメン屋が職場から徒歩3分の所にある。ラーメンは日頃食べる習慣がないのでミシュランに載る前は食べたことはなかった。ミシュランに載って、そんな店があったのかと探して行ったのが最初であったが、いつも前を通り過していたラーメン屋であった。
 店構えは、特段綺麗でも汚くもない普通のありふれたラーメン屋である。自動販売機でチケットを買うが、店員の応対は概して丁寧で、紙のエプロンをくれるところからして、店の気遣いは出来ていると思う。
 ラーメンは太目のストレート麺でパスタのタリオリーニに近い感じのものである。スープはかなり個性的で、魚介系の強い香りに鶏ガラが加わったコクとでもいうのだろうか、しっかりした味わいの深いスープである。最初に行った時は、麺に味が馴染まず、元々昔の中華そばの細い縮れ麺が好みであったこともあってか、左程感動も無く、2回目はしばらく置いてからであったが、段々とそのスープの味にはまり出し、そうなると麺の性状も気にならなくなり、今や小生のランチ外食トップ3には入り、そろそろ依存症の域に入って来ている。
 期間限定、数量限定でスープ・ドゥ・ポアソンのラーメンもあったから、店主は魚介系のスープに拘りがあるのかもしれないが、それがラーメンにマッチしていたかは微妙なところではあった。
 昼時は行列ができるが、ハケが良いので、それほど待たされることはないし、外に椅子も置かれていて、イラつくことはない。
 最近はもっぱら、まずはグラスの生ビールで餃子4個(200円)を食べ、その後、普通の並の中華そば(800円)を食べている。
 カウンターには多くの酒瓶が並んでいるので、夜は居酒屋風になるのであろうか、メニュウにも酒の当てがいくつも載っていて、いずれも旨そうであるが、まだ夕方に飲みに来たことはない。つまらない居酒屋に行くよりは、きっと当たりであろうと思う。

*オー・プロバンソーのランチコース

仔牛とフォアグラのパテ

仔牛とフォアグラのパテ

仔羊のロースト

仔羊のロースト

 ここも徒歩3分の最寄りのビストロです。この店は僕のブログのグルマンライフにもしばしば登場する、今最も慣れ親しんだフレンチの一軒である。普段はディナーで行くことが多いが、たまに来客があり昼ごはん時になるとお邪魔する。
ランチは2種類で、前菜と主菜の数で違うのだが、いつもは前菜一種、主菜一種にデザートが付くコースで、ペリエ大瓶に、食後にコーヒーかお茶を飲んで大体一人3500円見当である。
前菜も主菜もディナーと遜色のないもので、満足度で裏切られたことはない。
ランチでも、オーナーシェフが自ら厨房に入り、テーブルの段取りも仕切っているのが、何よりも良い。

*天真の天丼ランチ

 天真は、文春のグルメ本『こんないい店うまい店」で見つけた麹町界隈の店の一つであるが、ランチで天丼を食べて気に入り、夜に天ぷらを食べに行き、さらに気に入ったお店である。
 揚げ油は、麺実油とごま油のミックスであるが、昼は天丼用にゴマ油の比率を増やしているという。ドンツユはヤヤ辛目か。
天ぷらの出自は天政の系統ということであり、楽亭、近藤などの現在主流の丘の上ホテル系とは少し違う。ここでは最後のご飯にバラ天飯と言う、かき揚げをばらしてご飯に混ぜる、鰻のひつまぶしのようなものがある。
 亭主は、ワイン、日本酒、焼酎類にも相当詳しく、また食一般に対する造詣も深い教養を積んだ職人である。
 ここの主人の話によれば、楽亭の御主人はこの春に他界されたそうである。最期まで寡黙を通して逝かれたのだろうか。合掌。
 さて、天真の料理であるが、食べ物好きで、勉強家である主人が作る料理が上手くない筈はないのである。

*永田町黒澤の豚カツ

黒澤

黒澤

ランチのとんかつ

ランチのとんかつ

 映画監督の巨匠黒沢明がお店の内装からメニューまでプロデュースしたことで有名な、蕎麦と豚シャブのお店である。議員会館や国会図書館など国会関係の建物が建ち並一画にあるので、とりわけ閑静なところに警察官の警備姿がやたら目立つ奇妙な雰囲気のところにあるが、お店は、落ち着いた風情の日本家屋の一軒家である。壁に漆喰のコテ絵が付いているのが印象的である。
 お店の構成は、蕎麦は一階、肉料理は二階が基本となっている。
 蕎麦は伝説となった「翁」の達人、高橋邦弘氏の薫陶を受けた蕎麦職人が石臼自家製粉で打っており不味かろうはずはないし、肉料理は鹿児島産の選りすぐりを使っているので、牛しゃぶより豚シャブの方が人気が高いのもうなずける。
 ランチメニューは、蕎麦と豚カツであり、いずれも街中の普通の蕎麦屋、豚カツやと同じ料金体系でありながら、味は一級であるから、お店の雰囲気や従業員のマナーの良さを思えばコスパはかなり良いと言える。
 おまけに今どき珍しく、駐車場を完備しているので、ランチには都合が良いのである。

*ブレッツ・カフェのランチコース

ブレッツのテラス

ブレッツのテラス

クレープクラシック

クレープクラシック

新宿高島屋に入っている、ブルターニュ地方のそば粉を使うクレープのお店。パリの本店はパリ一番のクレ-プリーとの評価(フィガロ誌)をとっているそうである。
サラダとクレープクラッシック、デザートクレープでランチセットになっていて2000円位。クレープクラシックの生ハムと目玉焼きを挟んだものは、私的なパリへの思いに繋がり懐かしい心にしみる一品でした。

*ニルヴァーナ・ニューヨークのランチブッフェ

檜山公園を望む

檜山公園を望む

カレー4種

カレー4種

ナン

ナン

ココナッツミルクのぜんざい

ココナッツミルクのぜんざい

 2002年までニューヨークのマンハッタンにあった伝説のインド料理店が赤坂ミッドタウンのガレリア1階に復活したお店。
 テラスは檜町公園に面していて広い芝の広場が眼下に見え、その先には公園の大きな木々が森のように見える都会ならではの絶景である。多くの外国人(欧米人ですよ)が日常的に広場を散策しているなど、日本離れした光景もなかなか良いものである。
 ランチはブッフェスタイルで、前菜はサラダを始め7種、主菜はタンドリーチキンなどにカレーが5種類、デザートを含めると30種類以上が所狭しと並んでいる。それに嬉しいのは焼きたてのナンがテーブルに運ばれてくる。ナンはバターが効いていてクロワサッサンのような味わいである。
カレーは小さな金属のボールに一種類ずつ入れ、数種類とるのがお約束のようであり、サフランライスも付けると良い。
 随分と洗練されたインド料理である。カレーはどれも美味しいし、デザートではとりわけ、ココナッツミルクにタピオカ、小豆餡が入ったぜんざいのようなものは、甘党にはたまらない味である。
 ブッフェ料金は2100円で、それに65歳以上はシニア割り引きで1500円、12歳まではジュニア割引で1200円であり、爺と孫で行けば二人で2700円になるというお得さである。ちなみに小生はシニア割引の対象ではあったが、とてもその年には見えないだろうから、一悶着起きても面倒なので、普通の支払にした。
 精神分析家のユングによれば、ギリシャ神話の時代から人間の老年期のあるべき理想の姿は、老賢人と美少女のペアであるとされていることでもあり、小生もこれからは、その組み合わせで2700円のコースを目指すことにします。

*アクアヴィットのランチコース

アクアヴィット

アクアヴィット

インテリア

インテリア

39度調理のグラブラックス

39度調理のグラブラックス

スカジナヴィアンブイヤベース

スカジナヴィアンブイヤベース

 北青山2丁目、伊藤忠の隣のレクサスのショールームの裏手に瀟洒な外観のレストランがある。北欧料理とフレンチの融合したスカンジナビア料理とうたっているスタイリッシュなレストランである。
 こんなところにこんなお店がと言う意外性は、南青山1丁目のホンダの裏にあるナリサワに似ている。
 天井の高い室内は北欧デザインのインテリアで統一されており、モダーンな印象が強い。
 ランチは2500円のプリフィクスであり、前菜と主菜を1皿づつ選ぶ。どれも洗練されていて美味しい。食事中はアルコールを飲まなければ、アイスティが水のように注ぎ足しでサービスされるが、これが甘すぎず、苦すぎず滅法おいしい。口の中を爽やかにしてくれ、スモークサーモンとかホタテなどの生に近い魚料理には本当によく合う。
 ランチタイムでは例によって中高年の御婦人達のテーブルが多いのだが、ディナーに来れば、又一段と客層も雰囲気も変わり、デートにこれ程ふさわしい店も多くは無いと思われる程である。
 個人的には、最近はそんな利用の機会もメッポウ減りましたが、今ではそれも慣れっこになり、ランチに来ても、夜使いの心配をする必要も無くなりました。
今は、色香より英知を磨き老賢人の道を目指す心境です、100パーセント偽りもなく。

 

「飲み人」の街、荒木町界隈の最近の変貌

四谷三丁目、荒木町と言えば、ちょっと大人のディープな飲み屋街として「飲み人」には知られた町である。
私が30年以上勤務していた大学病院からは徒歩圏内であることもあり、入り浸るほどではないが、時々は焼き鳥屋とかホルモン屋とか居酒屋、割烹、ジャズバーなどには通ってはいた。
 平成に入る前は、戦前の匂いがする町と言われ、平成に入ってからは昭和の匂いが残っている町として、一部の「飲み人」には強い人気がある。

 しかし、ここも新宿3丁目と同じように、店の新陳代謝が激しく、最近では、小奇麗なワインバーや和食屋も増え、客層も若年化してきたようである。同時に店側の経営ポリシーもかつてとは随分変わってきたように見える。

 以下は最近の荒木町体験です。
 荒木町で遊ばれんとする方はご参考下さればと思います。

*ワインバー「ツ○ヤ」

 合コン仲間5人で行き、ワイワイ飲んで食べていた時に、私の指輪が外れ、床に落ちた。木かタイルの床だったのか、大きな音がして跳ねたような感じであった。全員が音を聞き、オヤオヤということで、足元を探したが見つからず、店のギャルソンにも手を借りて、ライトを使って、テーブルをずらしたりして探しても、洋として出てこない。100パーセントこの席で落としたことに何の疑念もなかったので、閉店後に探してもらい、見つかったら電話してもらうことにして、その場は引き上げた。
 指輪はクロムハーツのものであったので、少々値が張るので、その夜閉店後を見計らって電話してみても、翌日電話しても、「ありませんよ。」と言うだけで、その後はあったとも見つからなかったとも言ってこない。とても誠意をもって探したとは思えない対応なのである。
 確かに、落としたことに関しては店に何の落ち度もないが、落とした当人も同席した仲間も100パーセント出てくると信じていたから、出てこないことが納得いかないし、その不可解さを店側が全く共有しないのも不愉快であった。その後店からは一度だって連絡は無いままである。

 たとえこちらから又電話しても、木で鼻をくくったように「ありませんでしたよ。」というのは目に見えているので、その後は電話する気も起きないでいる。

さて指輪はどこに消えたのというのか?

*蕎麦割烹「松○」

松○、ホタテとトウモロコシのすり流し

松○、ホタテとトウモロコシのすり流し

鱧と旬彩のお椀

鱧と旬彩のお椀

鮑の焼き物

鮑の焼き物

ここへはかつての職場の後輩でもある友人の紹介で行ったので、正面切って悪口はいえないが、これから行こうとする人のための参考になればと一言。

 食べログでは予算3000~3999円になっており、友人からは7000~10000円くらいと聞いていたので、そのつもりで友人と、その友人の3人で行った。料理は群を抜いたものではないが、食材も良いものを使っており、主人の仕事も悪くはない。
 美女二人に囲まれて、いい機嫌で冷酒4合に最後にブルゴーニュを一本あけた。
 勘定は6万を超えた。

 確かに酒によっては、勘定はいくらになってもおかしくはないが、一人の料理が7、8000円見当の店で2,3万のワインを値も告げずに抜いたとすれば、やはりボッタクリの気分があったといわれても仕方あるまい。
 友人のような常連には決してこのような商売はしないであろう。
 要は客を見て取れそうと思った時は取ってしまおうという類の店なのか。

 最後に店の名誉のために言っておくが、料理は始めから一人2万と言われれば、それはそれで納得の行く範囲のものではあった。

 それにしても経営方針は利口ではないと思う。せいぜい4~5万オーバーくらいに押さえておけば、また行くこともあっただろうに、一人のリピーターを失ったのだから。
 さて、「松○」に初てお行きになる時は、値段が明示された料理やコースとお酒を頼むのが賢明だと思います。

*焼き鳥「ど0ま0れ」

ど○ま○れの野菜のスティック

ど○ま○れの野菜のスティック

ここは、僕にとっては超・稀少な若いガールフレンドに連れられて行った店なので、批判するのは大切な女友達を失いかねないリスクがあるのだが、我慢ならないレベルだったので、やはり言っておこうと思う。

 まず料理であるが、今時風の焼き鳥屋としては合格範囲であろうが(肝レア焼きは○)、これが予約の取れない店?と思わず首を傾げる程度のものもあった。パリパリ野菜に、ディップは何ら手も加えていない赤味噌と塩では芸がなさすぎるし、水ナスに蜂蜜はミスマッチであろう。
(水ナスは、やはりEVオリーブオイルにパルミジャーノ・レジャーノでしょう?)

 それより何より、問題は接客マナーである。
 ワインは間断なく、どんどんグラスにたっぷりと継ぎ足しをされるのは、飲む方は落ち着かないし、せかされている思いがする。(事実せかしているのだろう。)一本空く前から次のワインをどうするかと聞き、1本目をつぎ終わると確かめもせず2本目を開けて、注ぎ足してくるという気の効かせようである。
 さらには、私が、グラスの上に手を置き「今はちょっとストップ。」と示せば、なんと断りもせずサッサとグラスを下げてしまったのである。
 焼き鳥も1種類を1本づつ注文すると、時間も手間もかかるから一種類3本頼め(当日は3人だった。)というようなことを無神経に言う始末である。

 客よりも店の都合が優先し、売り上げ第一の効率主義も、ここまであからさまになると呆れるというより引いてしまうのだよ。(と言うのは僕だけのようだけど。何故なら、予約が取り難いというし、当日も満席だったから。)

*ウナ・カンツォーネ

ウナカンツォーネのステージ

ウナカンツォーネのステージ

 カンツォーネやシャンソンを聞かせるバーである。
 僕はこの手のライブハウスには疎いので、よそとの比較は出来ないが、ここは居心地の良いところである。

 7時開店で7時半から1時間、9時から1時間の2回のショーがあるが、入れ替え制ではないので、予約さえ取れば、何時に行っても席は確保されている。
 また、毎日歌手は変わるので、連チャンで行っても同じプログラムに重なることはない。
 小さなハコで、目と鼻の先でプロの歌を聞くことが出来るのは、無理やり聞かされるカラオケに辟易している向きには非常に清々しい満足感がある。

お気に入りのシャンソン歌手と。

お気に入りのシャンソン歌手と。

お気に入りのカンツォーネ歌手と。

お気に入りのカンツォーネ歌手と。

 それにショウが終われば、お気に入りの歌い手と一緒に飲む事も出来る。

 極めて明朗会計で、ショータイムだけでなく、店と客が混然一体となって時間が流れる様は、昔の荒木町がそのまま残っているような感じがする。(ここは実際には舟町だけど。)

 ただ、毎日のように通ってくる、オタクっぽいおやじ達が奇妙な連帯感と存在感を見せているのが、初心者には少々気後れするところではあるのだけれど。

 以上が最近経験した荒木町のレポートですが、かといって荒木町から足を洗うつもりはなく、最近のマスコミグルメで断トツに評価の高い割烹も、フレンチも荒木町にあり、それらは小生は、まだ未体験なので、いずれ近々には食べに行き、又ご報告する予定であります。

 

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